ある日旦那が亮輔に言った。
「 最近亮輔の絵、入選せぇへんけど。 調子悪いんか? 」
亮輔は小さな頃からお絵描きが大好きだった。 「 好きこそものの上手なれ 」 まさにそれ。
幼稚園の頃からたくさんの人たちに 「 上手!上手! 」 と誉めてもらい。
小学生になってからというもの、毎年何かしらの展覧会の出展作品に選んでもらっていた。
それが4年 ・ 5年と選ばれていなかったのだ。
「 だって! 最近図画ってせぇへんねんもん! 図工ばっかりで! 」
亮輔がめずらしくムキになった。 いつもの亮輔なら 「 うん 」 の一言で済ますところなのに。 父親の発言がよほど気に障ったのだろう。 「 痛いところをつかれた 」 の方が的を得た表現かも知れない。
その2.3日後だった。 亮輔が私に1枚の紙切れを手渡したのは。
「 ふん。 これ先生がお母さんに見せとけって・・・ 」
開いてみると
『 入賞者の皆様へ 』 「 MOA美術館児童作品展 ・ 神戸会場 」
入賞のお知らせと展示会のご案内
○○亮輔 さんの作品は、応募総数900点の中から
佳作 に選ばれました。 おめでとうございます。
とあった。
選ばれたのは4年生のときの版画らしい。 ( なんで今頃? (^-^; )
「 すごいやん! かっこええ! 亮輔! 」 と思わず叫んだ母に
「 うん・・・ 」 と気の無い返事の亮輔
くくくっ (^-^) おっかし (笑) 亮輔はかなり意識して平静を装っているのだ (笑) 照れくさいのかかっこつけてるのか。
でも私には分かる、嬉しくてたまらない亮輔の様子が。 だって・・・ 口をすぼめてるもん (笑) 近頃の亮輔は気持ちが高揚すると口をすぼめるのだ。 裏の公園で友達と野球をしているとき、バッターボックスに立つと口をすぼめる。 音楽祭のときもそう。 演奏の前は口をすぼめていた。
ほんとは嬉しいくせにそうやって平静さを装おうとするなんて、もう子供じゃないんやななんて 変なところに成長を感じ。
それでも嬉しさを隠しきれないところに、まだまだ子供やん (笑) ってかわいさを感じ。
結局のところ、母にとってはかわいくて自慢の息子なのであった (笑)
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