う た う ひ と 

2001年05月31日(木)


いつもは 帰りが心配だから と
見送らせてくれなかったあなたも
あの日はなにも いわなかったね

ふたりで並んだホームのベンチ
着替えと想いがつまったバッグ
急行が止まる駅だけど
各駅で行こうと あなたが言う

何本も見送って 腰をあげた
どちらからともなくつないだ手

ターミナル駅の改札で
これ以上は送らないでとあなたが泣く
別れた理由もなにもかも
いまも想い出になりきれずにいる

コンコース 人に紛れて
いまと同じ 短い爪を
すこしだけあなたのほほに立てて
長いながい キスをした

爪を切る音すら いまもせつない
ひとりきりの冬の夜















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あかり [MAIL]

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