アパートの入り口になにともなく咲いていたその名を誰も知らないけれどこころに雲がかかり泣き出しそうな夜にもやわらかく甘いその香にそっと抱きしめられてきょうも部屋を出る満員電車に揺られ月が傾く頃ひとり家路に着けば花はまだそこにあるなにともなく