後ろ姿があっけなく 改札の向こうに消えた 反対側のホームから 走り出す電車 速すぎて
多分ドアに額もたせて 見送ってくれている いつもそうだったように 願ってしまうけれど
あの日から駅は さよならの場所になった あの日から二度と 戻れない時が過ぎた
ありふれた暮らしの中 またすれ違う偶然を 願う位ならなぜ あの手を離したんだろう
人波に押されて 改札を通るたび 振り返ってしまう癖 直りそうになくて
あの日から駅は さよならの場所になった もう待たなくていい 自分に言い聞かせた
あの日からどれだけ 戻れない時が過ぎても あの日から駅は さよならの場所になった
ドアの向こうに 優しいまなざしを 探しながら 痛みながら 迷いながら 歩く
そんな場所になった いつもの駅
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