「いつもにこにこ・みけんにしわなし」
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2001年02月23日(金) アヒルさん。

あったかくって、いい天気。

マルは外で遊びたい。
庭の砂場で、遊びたい。

んー、じゃ、ついでに花壇にお花を植えよう。

うちの真ん前が園芸やさんだ。
マルと二人で歩いていって、花の苗を買う。
ふたりで、たくさん苗を選んで、レジに持っていく。
私がお金を払うのを待っていたとき、
マルは、素敵なものを見つけた。

陶器製の、アヒル。
花壇に飾ってるおうち、近所にもあったな。

おかーちゃんが、お金を払ってる間に
マルはそおっと箱からひとつ出して見た。

手がすべって、レンガ敷きの床に落ち、
アヒルは、「パシャン!」と砕けた。

「あっ!」
振り返ったおかーちゃんは、
「マル!ごめんなさいは!」
と叫んだ。

いつもおうちで、コップ割っちゃたりしたときは、
「いいよ、わざとじゃないもんね、けがなあい?」
って聞いてくれるのに。
いきなり怒った!

「・・・う、う・・うううう、お、おがーちゃんのばがああっ!!」
ぎゃーーーーんっ!!

おかーちゃん、お店の人に謝って、割れたアヒルを片づけた。
ほうきを持って、おにーさんがこまかい破片をはきにきた。

「マル、ちゃんとおにーさんにごめんなさい、言お。」
「ぎゃぴー!ぎゃああああん!ぎゃあああん!」
「はい、おにーさん、ごめんなさい。」
「おでーざん、ごべんだざいいいっ!うぎゃーーーん!」
(・・おねーさんじゃなくておにーさんだけど。)

ぎゃひっぎゃひッッと、しゃくりあげてなくマル。
「マル、ちゃんとごめんなさい、言えて、えらかったね。」
「あうっおがーや〜ん!」
ぎゅう。よしよし。
「ね、割れるのは、両方のお手手で持たないとダメなのよ?」
「う、うんぐ、あうん、ずるずる・・。」
「アヒルさん、欲しかったの?」
「あひゆたん、ほちかったあんあんあ〜〜んっ!」
かわいいなぁ。ぎゅ。なでなで。
「じゃあね、ちゃんとごめんなさいって謝れたから、ごほうびにあひるさん買ってあげる。」

涙の止まるマル。

箱からそうっと、ひとつ選んで、マルに見せる。
「これでいい?」
「うん。」

そのまま、レジカウンターに持って行こうとして、
あ。と気がついた。
ここで私が持ってっちゃダメだ。
「マル、両方のお手手出して。」
「あい。」
「ハイ、しっかり持つのよ。」
手を引っ込めかけたけど、持たせた。
「レジのおねーさんに、くーださい、して。」
ハナと涙でずるずるのまんま、レジに持っていって、言った。
「くーらさい。」


おかーちゃんは、箱いっぱいの花苗を。
マルは、小さな手提げに入れてもらった、アヒルさんを。
二人でそれぞれ持って、にこにこと歩いて帰った。


庭で、おかーちゃんが花の苗を植えてる間中、
マルはアヒルさんを抱っこして、頭をなでていた。


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