「いつもにこにこ・みけんにしわなし」
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「おかーちゃーん!おみやげー!」
モックンが帰り道で彼岸花を摘んできてくれた。 「きれいやろ〜。」 大きく開いた真っ赤な花。 すごくいいもの持って帰ってきたぞ!って、笑顔ではちきれそうになってる。
「わァ。きれいねぇ!おかーちゃん、この花、大好き!」
フフン♪とモックンは得意げ。 ランドセルも下ろさずに、自分で小さな花瓶を出してきて花を挿した。
それを、キッチンのカウンターの上に飾る。
「おかーちゃん、彼岸花って、好きやわ。」 「ひがんばな?」 「うん。ちょうどお彼岸の頃に咲くから、彼岸花。」 「ひがんて、なに?」 「もう死んじゃった人の住んではる川の向こう岸。」 「へ?」 「あ。えとー、死んじゃった人を思い出すのが、お彼岸。 で、お墓参り行ったりするのね。 だから、このお花を、゛葬式花゛って言って、嫌わはる人も多いんやけど、 でもさー! きれいじゃない!この赤い色も、お姫様の冠みたいな花の形も。」 「うん♪」
む。と何かを思い出したモックン、 「おかーちゃん、この花、舌が曲がるの?」 「へ?」 「帰り道で、工事のおっちゃんが、゛シタマガリ゛やって。」 「へー! あのね、あんまり縁起のいい花じゃないからって、 毒があるとかって言う人もいるの。 でもなー、ホントはヒガンバナって、薬草なのよ。 湿布代わりに使ったりするんやでー。足に効く薬が採れるねん。 毒はないから、安心してつんでいいよー。」 「へぇえ〜。」
「嫌いな人も多いんだけどねえ。」
「ボクはきれいやと思うなぁ。 赤だけじゃないんやでー。 内側はちょっとピンクやねんでー。」
うん。 きれいなものをきれいと思うのは、 すんごくいいことだと思うぞ。 そのままを見るモックンは、 ちょっと、かっこいいぞ。
おかーちゃん、この花、好きだよ。
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