Just A Little Day
目録過去未来


2006年11月30日(木) 夢現

懐かしい笑顔。
もう忘れたと思っていた、「胸が締め付けられる」という感覚。
触れてしまえば壊れてしまいそうで、呼吸をすれば消えてしまいそう。
ずっと消してしまおうと思って、消せなかった想い。

どんな言葉も、気持ちを表すのに適切ではない気がして、
何か言葉を発してしまえば、全てが嘘になってしまう気がして、

『・・・会いたかった・・・』

それだけが喉をついて出た。

それだけを告げ、すぐに言葉なんか要らなかったことに気付く。
背中に回った腕が、近くに聞こえる鼓動が、体温が、そう告げていた。

胸が苦しい。
そうか。「セツナイ」って、こんな感覚だっけ。
懐かしい体温に、目を閉じた。














目を開けると、昨日と同じ部屋。
台所に立つ母。
切なさだけが胸のまんなかで脈打っていた。






あれ?どこかでこんな感じ・・・
そっか。
「冷静と情熱の間」の再会シーンに似てた。

でも、あの切なさは本物だった。


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