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長いお別れ / 2002年10月07日(月)
 

 月曜日、秘爆が終わって、ゆっくりしてます〜〜〜。
 って、今年の秋は本当に静かだ……いいのか悪いのか(笑)。
 やっと咳もちょっと落ち着いてきたみたいなので、そろそろリキ入れないと!

 私の好きな小説にレイモンド・チャンドラーの「長いお別れ」があります。
 どっちかというと「さらば愛しき女よ」の方が有名かな?
 どちらも、フィリップ・マーロウというハードボイルな探偵さんが主人公なんですが、私が「長いお別れ」が好きなのは、男二人が場末のバーで、ギムレットを飲み、儚く熱い友情を交わすからなんですね。
 有名な台詞(かどうかは知らないけど)ずっと探していた相手が殺人事件や謎が解決して戻ってきて最初に言う「まだギムレットには早すぎるね」。
 それが友情の終わりでもある、実に洒落た小説です。
 でも、実は私が持っているハヤカワ・ミステリ文庫の訳文はものすごく硬い。
 英語で読んだらもっとカッコいい決め台詞なんだろうなぁ……と、最近、洋画を観る度に思うことです。
 実は昨日夜中に昨年のニューヨークテロの時、ちょうど近くの消防署の見習消防士のドキュメントを撮ろうと密着していたカメラマン兄弟のドキュメントを遣ってたんです。実際に彼ら消防士たちに着いて崩壊したビルの中にいて、一部始終を撮ってました。
 一階にいるカメラの音に、人間が飛び降りてくる音が絶え間なく入っていたり、危険を省みず上へ昇ろうとする消防士たちの姿を見てると、たまらないものがありました。
 人間が雨のように降ってくる、それはひとつの生命が失われた音でもあるわけです。そして、なんとか脱出し、命からがら戻ってきた弟のカメラマンに消防士が言うんです「昨日までは二人っきりの兄弟だったが、今日からは50人の兄弟がいる」って。つまり、一緒に潜り抜けたお前は仲間以上だって言ってるんです。
 ドキュメンタリーにももちろん感動したんですが、もう一つ。
 ただの普通の人間がなんあでこんなカッコいい台詞はけちゃうかなぁ?
 そこが英語と日本語の差かもと思わずにはいられません。
 英語は即物的だからこそカッコいいし、日本語には情感がある。
 また背負ってきた文化の違いでもあるんだろうなぁ……。




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