「にこにこばかりもしてられない。」
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2001年02月07日(水) 父さん

旧姓のままの口座が、大阪の銀行に残っていることが発覚。
しかもその銀行、2月13日でつぶれるそうだ。
解約しに行かなきゃ。
通帳もカードもない。
電話したら、改正届・住所変更・喪失届け・解約手続きの段取りだそう。
戸籍抄本がいるといわれてとりに行く。

市役所のカウンターで、市章の入った用紙に
プリントアウトされた抄本を受け取る。
戸籍抄本、横書きになって、データが直接プリントアウトされるようになったのね。


父の名前を久しぶりに見た。


中学のときに、高校受験の準備で、担任から各自に各自の抄本が配られた。
なぜ、学校からそんなものが配られたのかはよくわからないが、
ホームルームのときに、一人一人に手渡された。
名前を呼ばれて、1人ずつ前にとりに行く。
私の名前を呼んだ担任は、なぜかチラッと私を見て、抄本を渡した。

原本のコピーの縦書きの戸籍抄本。
長女として私の名前が載っている。
その下に、父の名前があった。

父の名前は大きく×で消され、
その上から黒々と、「死亡」と書き込まれていた。

動けなくなった。
停まったまま席に戻れない。
目がその文字から離れない。
胸の奥が痛くなって、のどに熱い塊が上がってきた。

担任は、最低だった。
固まっている私に気がつくといった。
「そう書くんやから、仕方ないやろっ」

わかっている。
理解はできている。

だけれど、
私の父さんを。
父さんが存在していたことを。
否定された。
こんなに醜いやり方で。


席に戻って、教室で私は泣いた。


今日もらった抄本には、父がいた。
たった二文字だが、消されずに、
父が私のすぐそばにいた。

帰りの車を運転しながら、やっぱり泣いた。




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