弱Sonファイブ
「そのヘアピン、 シャツとおソロ?」 「大丈夫、熱でもある?」 「あるある36度5分。 あー、お前が金髪なら 微熱ぐらい出してやってもいい」 「お前が坂口憲二だったら 抱かれてやるよ」 「お前となんか ぜったいやんねえよ」 「加護、昼ゴハン買ってきてよ」 「ハラへったから お前が買いに行けよ」 「あんたあんまり働いてないんだから 買いに行けば?」 「... まあいいや、 自分の分は自分で買おうぜー」 「加護、オレのも いっしょに買ってきてー」 「あいよー」 「あたしのもー、ノリ明太」 「... へいへい」 というわけで結局、 部署の最底辺に位置してる 加護でございます。 というわけで、 みんなのパシリになるべく、 いつもの弁当屋に行きました。 5分ほど並んだ後、 注文言います。 「日替わりふたつとノリ明太」 そしたら注文取ってるオバハン、 「日替わりあるー?」 ってデカい声で 後ろ向かって叫んでます。 にもかかわらず 後ろから返事がない。 よく見ると、 ベッカムヘアーの 店長っぽいオッサンが 黙々と弁当作ってます。 オバハン 「ちょっとまってね」 と言って、 オッサンのそばまで行って 「日替わりある?」 って言います。 オッサン 「は?」 と言って また黙々と弁当作ってます。 そしたらオバハン なんかその弁当作るの 手伝いだしました。 んで、手伝いながら 「あるの?」 ってオッサンに言ってます。 そしたらオッサン 「焼肉はここにある、 キャベツはここ、 あるでしょ、ちゃんと!? 何回言ってもわかってない」 って怒鳴ってます。 たぶん焼肉とキャベツと ご飯を組み合わせれば 日替わりができるのでしょう。 確かに店長の言うこともわかるが、 それはあんまりだと思いました。 その上、 手伝ってるオバハンに向かって 「余計なことしないでくれよ」 って言ってます。 オバハン 「すんませんすんません」 ってあやまってます。 ああこのオバハン、 なんで自分があやまらんなアカンのか わかってんのんかいな って思ってると、 オバハンは 弁当を作り終えたらしくて やっとカウンターに 戻ってきました。 そのときおいらは 他のお客さんに 「すんませんすんません」 言いながら弁当渡してる オバハンの情けない顔を 見てしまいました。 そのときなぜか 自分の胸に すごくせつない気持ちが 一瞬走りました。 なぜかはわからないが。 オバハンおいらにも 「すんませんすんません」 言いながら先に会計して ポイントカードに スタンプを3個押します。 そして4個目を 押そうとしてくれたとき 後ろからオッサンの怒鳴り声が また聞こえます。 「余計なことするなよー」 と。 するとオバハン 一瞬押そうかどうか迷って、 結局押しませんでした。 そのときオッサンが 後ろからやって来て 焼き魚弁当を オバハンに渡します。 オバハン 「焼き魚の方ー」 ってでっかい声で 叫びます。 でも誰も取りに来ません。 オッサンが見てます。 おいら、 「焼き魚でいいよ」 って言いました。 オバハン、 「すんませんすんません」 って言って焼き魚を 渡しました。 そのあとすごい早さで ポイントカードに スタンプをあと3個押して 渡してくれました。 ... グヘヘ、 ババアから スタンプをせしめるのは チョロいぜ。 |