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海とくらげと青い日々 2004年09月19日(日)

海へ遊びにゆこう。
と、君。
ゆっくりと。
のんびりと。
白い波の、音を聴く。

砂浜に座って、二人、
夕闇にのまれようと、
必死。
手を繋ぐ。
太陽が、沈んでゆくよ。

生まれ変わったら、何になりたい。
と、私。
くらげに、なりたい。
と、君。

くらげに、なって、
海の中を、
ふわふわと、ゆらゆらと、
揺れて、動いて、揺れて。

食われてもいいのさ。
早くに死んだっていいのさ。
と、君。

だったら、私は私に、生まれ変わって、君を食おう。

口には、出さなかったけれど、私。

本当は、死ぬ前に、
もっともっと、聞きたいことがあるし、
言わなければいけないことが、あるし、

生まれ変わりなんて、
本当は、信じていないし。

帰ろう。
帰ろう。
と、私たち。

黒い波は、
月の光を、反射した。





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熊野
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