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残酷な光 2006年02月02日(木)

くるくると回る光を、私たちは知らない。
反射する光しか、私たちは知らない。
直線的で、回生しない光だけ、私たちは見ている。
蘇生を、望んでいるわけではありません。
けれど、あなたが生き返る、それならば、そうだと思います。
私は、光ばかり、見ている。
闇を見てきたあなたは、光が怖いのか。
あなたに蛍が舞っているようだ。きれいだ。
だれにでも、光があればいい。
見えないから、届かないから、きれいだ、と思う。
光の粒に遊ばれないように。あなたはあなたで笑う。
私には、雨粒ばかりが、かわいそうな溝鼠。
私を、見つけて。私の塵のような光を、見つけて。
微笑んで。私のためだけに、微笑んで。
あなただけの光が、だれかの光と混ざったら、もっときれいだろう。
抱きしめて。潰れてもいいから。
あなたの光が強くて、目を細めてしまったら、もっと輝いて。
私、これでやっと闇になれる。
あなた、光そのものになって。





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熊野
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