やんの読書日記
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エドワード・ラザファード集英社
ロンドンに住む4つの家族の浮き沈みを、 カエサルのブリタニア侵攻から近代までを追った壮大なドラマ 初めに登場するのは名もない漁師、ケルト人の彼が、 敵であるローマ人と向かい合ったり駆け引きしたり 結婚して子どもを産んだりしていくうちに、 時代がローマンブリテン、サクソン侵攻、 ノルマンコンクェストとどんどん変っていく 漁師の子孫で髪に白い房、 手の指に水かきのついたダケットの家のものが、 時には武具職人、あるときは売春婦 食料、雑貨商だったりするが、 みなその時代を地に足つけて堂々と生きているのがいい。 上巻末に出てくるにせもの錬金術師シルヴァースリーブスが、 ダケットの親方バーニクルをだまして金を巻き上げ 大商人ブルもだましてその娘と結婚しようと画策するところなど、 淡々とした語り口なのに面白くてたまらない。 歴史的な事実、ノルマンディー公ウィリアムの登場がメインになっていて、 十字軍の遠征、黒死病(ペスト)の蔓延 ワットタイラーの乱、チョーサーのカンタベリー物語と、 高校の世界史で習ったことが続々とでてきて 歴史好きなわたしにはわくわくする本だ。
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