やんの読書日記
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2003年02月12日(水) ロンドン上

 エドワード・ラザファード集英社 

ロンドンに住む4つの家族の浮き沈みを、
カエサルのブリタニア侵攻から近代までを追った壮大なドラマ
初めに登場するのは名もない漁師、ケルト人の彼が、
敵であるローマ人と向かい合ったり駆け引きしたり
結婚して子どもを産んだりしていくうちに、
時代がローマンブリテン、サクソン侵攻、
ノルマンコンクェストとどんどん変っていく
漁師の子孫で髪に白い房、
手の指に水かきのついたダケットの家のものが、
時には武具職人、あるときは売春婦
食料、雑貨商だったりするが、
みなその時代を地に足つけて堂々と生きているのがいい。
上巻末に出てくるにせもの錬金術師シルヴァースリーブスが、
ダケットの親方バーニクルをだまして金を巻き上げ
大商人ブルもだましてその娘と結婚しようと画策するところなど、
淡々とした語り口なのに面白くてたまらない。
歴史的な事実、ノルマンディー公ウィリアムの登場がメインになっていて、
十字軍の遠征、黒死病(ペスト)の蔓延
ワットタイラーの乱、チョーサーのカンタベリー物語と、
高校の世界史で習ったことが続々とでてきて
歴史好きなわたしにはわくわくする本だ。


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