やんの読書日記
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2003年02月13日(木) ベーオウルフ

 ローズマリ・サトクリフ作 井辻朱美訳 原書房

2002年秋の新訳。以前同じ井辻さんの訳で読んだ沖積舎の
同名の書とは感じが違っていた
。登場人が古典的な言葉遣いでが話していて、
吟遊詩人が読んでいるような軽やかな文章だ。
父の恩に報いるためにフロースガール王のもとにはせ参じ、
王の領民を苦しめる怪物グリンデルを退治するという英雄物語。
剣では退治できない怪物を素手で持って腕をもぎ取るという荒業。
グリンデルの母親も退治して、故郷に凱旋する。
ベーオウルフの最大のよさはその心の清さと
勇敢さ、立派さだと思う。
老いた身で二度目の怪物を退治したあと、
その火竜が守っていた宝を、
領民のために残せてうれしいという彼は立派だ。
当の領民たちは、王であるベーオウルフが
火竜に殺されかけているのを見て逃げ出したと言うのに・・・・
古英語で書かれた英国の古典
でもデンマークが舞台
本当はもっとむずかしい言いまわしが書かれていたらしく
旧訳はわかり言いづらいところがあった。
今度の訳のほうがきっぱりしていてよかった


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