やんの読書日記
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ローズマリ・サトクリフ作 井辻朱美訳 原書房
2002年秋の新訳。以前同じ井辻さんの訳で読んだ沖積舎の 同名の書とは感じが違っていた 。登場人が古典的な言葉遣いでが話していて、 吟遊詩人が読んでいるような軽やかな文章だ。 父の恩に報いるためにフロースガール王のもとにはせ参じ、 王の領民を苦しめる怪物グリンデルを退治するという英雄物語。 剣では退治できない怪物を素手で持って腕をもぎ取るという荒業。 グリンデルの母親も退治して、故郷に凱旋する。 ベーオウルフの最大のよさはその心の清さと 勇敢さ、立派さだと思う。 老いた身で二度目の怪物を退治したあと、 その火竜が守っていた宝を、 領民のために残せてうれしいという彼は立派だ。 当の領民たちは、王であるベーオウルフが 火竜に殺されかけているのを見て逃げ出したと言うのに・・・・ 古英語で書かれた英国の古典 でもデンマークが舞台 本当はもっとむずかしい言いまわしが書かれていたらしく 旧訳はわかり言いづらいところがあった。 今度の訳のほうがきっぱりしていてよかった
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