やんの読書日記
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2003年03月09日(日) |
シェイクスピアの劇場グローブ座の歴史 |
ウォルターホッジス作、絵 ちくま文庫
シェークスピアが活躍した劇場グローブ座の成り立ちと、 焼失までが挿絵つきで解説されている。 ロンドンの下町サザークにカーテン座という劇場を解体して 造りなおされた劇場。 エリザベス女王の時代、清教徒革命が起こった時代に 演劇は低俗なものと思われていたらしいが そんな説をはねのけても人気を博した シェークスピアの劇とはどんなもの? この本からは、グローブ座の舞台裏や奈落と言われるせりの仕掛け 三層になった座席に、立ち見をする土間の様子がよくわかる。 土間からピーナッツや果物の皮を投げていた観客、 特別席で観覧したかもしれない貴族たち、 効果音として使用した大砲の音などが 聞こえてくるようだ。 芝居がかかるたびにテムズ川を船頭がこぐ御座船でやってくる観客、 芝居がはねたあとはぞろぞろと帰っていく人々 たったひとつの娯楽にかける情熱が感じられる。 大砲から放たれた火花が萱葺き屋根に燃え移って 焼失してしまったブローブ座。 いまでもシェークスピアが語られるわけは戯曲と 訳者、舞台が三位一体になっていたからかもしれない。
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