やんの読書日記
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2004年03月13日(土) 夢の守人

上橋菜穂子作

人がこの世をはかなんで、夢の世界に生きたくなるとき
その夢を栄養にして花を咲かせる
夢に取り付かれた人は、この世では目を覚まさずに
死んでゆく。

呪術師タンダの姪
新ヨゴ皇国の皇太子チャグム
ヨゴ皇国の第一妃
彼らがみんな眠りから覚めなくなってしまう

それは会いたい人に会えない悲しみ
大事な子どもを亡くした悲しみからくるもの
タンダは、姪を助けようと花の宮へしのんでいくけれど
体を花守に奪われてしまう。

花守に奪われたタンダの体がバルサを苦しめる
体を傷つければタンダは二度と戻らないから
タンダを大事に思うバルサ
バルサを母親のようにしたうチャグム
自分の生まれ育ちを超越して、呪術師になったけれど
失った子どものことを忘れられずに
あやうく夢にとらわれそうになるトロガイ
そういった登場人物のこころ模様が危うい。

夢の中にいたいと思う人の弱さ
それでも生きようと思う人の強さ
そんなものを感じた


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