やんの読書日記
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上橋菜穂子作
人がこの世をはかなんで、夢の世界に生きたくなるとき その夢を栄養にして花を咲かせる 夢に取り付かれた人は、この世では目を覚まさずに 死んでゆく。
呪術師タンダの姪 新ヨゴ皇国の皇太子チャグム ヨゴ皇国の第一妃 彼らがみんな眠りから覚めなくなってしまう
それは会いたい人に会えない悲しみ 大事な子どもを亡くした悲しみからくるもの タンダは、姪を助けようと花の宮へしのんでいくけれど 体を花守に奪われてしまう。
花守に奪われたタンダの体がバルサを苦しめる 体を傷つければタンダは二度と戻らないから タンダを大事に思うバルサ バルサを母親のようにしたうチャグム 自分の生まれ育ちを超越して、呪術師になったけれど 失った子どものことを忘れられずに あやうく夢にとらわれそうになるトロガイ そういった登場人物のこころ模様が危うい。
夢の中にいたいと思う人の弱さ それでも生きようと思う人の強さ そんなものを感じた
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