やんの読書日記
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2004年03月23日(火) クリスピン

アヴィ作
求龍堂

イングランドの中世が舞台
アスタの息子とだけ呼ばれて
母とともに差別的な暮らしをしてきたクリスピンが
母の死後、領主の執事からいわれなき虐待を受ける

泥棒呼ばわりされ、殺されかけるクリスピンが
牧師の助言によって逃避行を始めるのだが
途中で出会った旅芸人の親方熊の弟子になることで
かわっていく。

母の存在自体がなぞ
クリスピンの出生になにか秘密がありそう
熊って何者
執事はなぜ執拗にクリスピンを追うのか

いろいろななぞが、一人の女性の告白によって
あっという間に解けていく
熊こそがクリスピンの秘密を早い段階で知っていた張本人だった

クリスピンを守ろうとする熊
それがなぜなのかよくわからなかったけれど
世界史に出てくる「ワット・タイラーの乱」
が背景にあることを知って熊の行動が
自由と平等を求める理想主義者だということを知り
やっとこの物語の本質がわかった。

熊との旅の途中でどんどん変わっていくクリスピン
そう仕向けていった熊が、始めの印象と変わって行くのが
よかった。


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