やんの読書日記
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アヴィ作 求龍堂
イングランドの中世が舞台 アスタの息子とだけ呼ばれて 母とともに差別的な暮らしをしてきたクリスピンが 母の死後、領主の執事からいわれなき虐待を受ける
泥棒呼ばわりされ、殺されかけるクリスピンが 牧師の助言によって逃避行を始めるのだが 途中で出会った旅芸人の親方熊の弟子になることで かわっていく。
母の存在自体がなぞ クリスピンの出生になにか秘密がありそう 熊って何者 執事はなぜ執拗にクリスピンを追うのか
いろいろななぞが、一人の女性の告白によって あっという間に解けていく 熊こそがクリスピンの秘密を早い段階で知っていた張本人だった
クリスピンを守ろうとする熊 それがなぜなのかよくわからなかったけれど 世界史に出てくる「ワット・タイラーの乱」 が背景にあることを知って熊の行動が 自由と平等を求める理想主義者だということを知り やっとこの物語の本質がわかった。
熊との旅の途中でどんどん変わっていくクリスピン そう仕向けていった熊が、始めの印象と変わって行くのが よかった。
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