やんの読書日記
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上橋菜穂子作 偕成社
守人が帰還する ということは、暴力神サーダ・タルハマヤに とりつかれたアスラが元の少女に戻って もしかしたら新ヨゴ王国の女商人のもとへ 行くのかと期待していた。
思いもかけなかった展開 アスラは帰還したけれど 人事不省のまま物語が終わってしまう 自分の民族が虐げられるままになっていることを 利用して、ロタ王国をひっくり返そうと画策した 女狩人も姿を消してしまう
タルハマヤがアスラの中に入り 暴力を振るうときに彼女が感じる快感 に寒気を感じたのはバルサだけではないと思う 暴力を止めようとしたのは アスラの兄の力が大きかったと思う
差別には報復で 報復には報復で 今の時代そのままがこの物語に描かれているが それを食い止める何かが きっとあるはずだ この物語に結末がないのは それを提示しているからだと思った
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