やんの読書日記
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カレン・ヘス作 伊藤比呂美訳 理論社
11人の証言者が入れ替わりに 1930年代のアメリカの世評を語る フィクションのはずなのにリアルな新聞記事の感覚がする
彼らが話題にしているのは黒人とユダヤ人差別 KKK団のなす悪事のこと。 キュー・クラックス・クラン団 初めてその名を聞いたのは 映画「風とともに去りぬ」 スカーレットの2度目の夫が入団していたと思う。 黒人差別の秘密結社が現在でも存続するというのは 時代が危ういからだと思う。
銃でうたれたユダヤ人の職人、井戸に毒を入れられようとした黒人の少女。 それらがみなクラン団によって引き起こされている。 誰かを差別して自分は優越に浸る そういう人間関係が戦争を引き起こすのだと思う 南北戦争もベトナム戦争もイラク戦争もみな差別からくる戦争だ
作者の言おうとしていることが 陰に色濃く表れていて見逃すことができない。
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