やんの読書日記
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2004年08月05日(木) 11の声

カレン・ヘス作
伊藤比呂美訳
理論社

11人の証言者が入れ替わりに
1930年代のアメリカの世評を語る
フィクションのはずなのにリアルな新聞記事の感覚がする

彼らが話題にしているのは黒人とユダヤ人差別
KKK団のなす悪事のこと。
キュー・クラックス・クラン団
初めてその名を聞いたのは
映画「風とともに去りぬ」
スカーレットの2度目の夫が入団していたと思う。
黒人差別の秘密結社が現在でも存続するというのは
時代が危ういからだと思う。

銃でうたれたユダヤ人の職人、井戸に毒を入れられようとした黒人の少女。
それらがみなクラン団によって引き起こされている。
誰かを差別して自分は優越に浸る
そういう人間関係が戦争を引き起こすのだと思う
南北戦争もベトナム戦争もイラク戦争もみな差別からくる戦争だ

作者の言おうとしていることが
陰に色濃く表れていて見逃すことができない。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                            


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