Shigehisa Hashimoto の偏見日記
塵も積もれば・・・かな?それまでこれから


2003年01月06日(月) こちとら海外ドラマは「アーノルド坊やは人気者」の頃から知ってんだぞ!

「F・B・EYE!!」という海外ドラマを観た。今日から始まったばかりらしい。聴覚障害者の主人公は実は読唇術のスペシャリスト。類稀なるこの能力を駆使して聴導犬とともに難事件に立ち向かう・・・ストーリーの概略はこんな感じ。構成は1話完結の体裁(今日の話は次週に持ち越されたが、それは今回がプロモーション編だからであろう)をとりつつ、横軸に聴覚障害者と他者とのふれあいを紡いで描いていく形のようだ。この調子だとドラマの構造においてハンディ・キャップの設定は主流ではなく傍流になりそう。

さて、私の感想であるが、まだ1話目だから話そのものにはとやかくいえないが、何というか、画面の端々から意気込みのようなものが見て取れて(まあ、どんなドラマでも大抵1話は気合が入っているものだが)、その点は良かったんじゃないかと思う。気になったのは主人公の吹き替え。若々しいのに妙に押しつぶしたような声。あれは狙ってやっているのか、はたまたオリジナルに近づけるための措置なのか、勿論定かではないが、少し違和感があったのでできれば声優を変えて欲しいところである(どだいムリな話だけど)。まあ、私の好きな青野武が出てたからいいけどね。

もうひとつ、障害者の描き方についても不安がある。このドラマでは”健常者と障害者の溝”について最終的にどのような回答を出すのだろうか。よくありがちな、双方ともに手を取り合って、アハハと笑いながら幸せな姿を映してエンド・・・なんていうのはやめてほしい。断っておくが、ハッピーエンドが嫌なわけではない。ただ、解決すべき問題を棚に挙げておいて、「お互いが理解しあえば」とか、「思いやりの心を・・・」という類の美辞麗句を挙げて、結果、安易な場所に着地することは避けてほしい、ということである。これまで障害者を主役に配したドラマはいくつかあったが、それらの多くは焦点をぼやかした奇麗事で収まってしまった。これでは両者の間にある断絶は浅くはならないだろう。障害者を描くドラマというものは難しいことなのだ。それにあえて挑んだのだから、何か実りのある終わり方をしてほしいものだ。

とにかく、このドラマがどのような結末を迎えるか自分の目でしかと確かめたいと、今のところは思っているところである。


橋本繁久

My追加