Shigehisa Hashimoto の偏見日記
塵も積もれば・・・かな?|それまで|これから
2004年01月21日(水) |
本格派コメディアンを待望する |
本格派の新人コメディアンがTVに登場しなくなってから久しくなった。 現時点における年齢的に最も若い本格コメディアンはナインティナインである。しかし、そのナイナイにしたって今や32、3歳であり、決して若いとはいえない。それなのに、後続に有力な人材がちっとも現れないのだ。
ナイナイ以降の世代的な穴を何とか埋めているのは、SMAPやV6といったジャニーズ出身のタレントであるが、これらのグループはいくら頑張っても「アイドル」を超える仕事は出来ない。従って本格派として大成するのは難しいと思われる。とすると、ナイナイより下の世代は本格的コメディアンは一組もいないことになる。よくよく考えてみればこれは大問題である。
このままだと5年後のお笑い界は大変な事になるだろう。ここ数年前から始まっているキワモノ芸人達のバブル的人気に侵食されてしまう可能性が高いのだ。例えば、昨年は「テツandトモ」「はなわ」「ダンディ坂野」といった芸人が相次いで売れたが、彼らは全員「キワモノ芸人」である。即効性はあるが、いかにもスケールが小さく、淡白である。厳しい言い方になるがこの3組には才能よりも一つの型にのっかかる事で人気を得た芸人である。こういうタイプの芸人は、昔においては「枯れ木も山の賑わい」的な存在として本格派芸人の横にいることが多かった。「おれたちひょうきん族」でビートたけしに付きまとっていた島崎俊郎のように。しかし、現代を生きる「テツトモ」達は彼ら自身が主役に成ってしまっている。残念ながら、これでは長続きしない。物珍しさに一時的な人気を得ても、やがてその能力の底が見えてくると、あきられてすぐに勢力を失ってしまう。視聴者の残酷さは彼ら自身が一番良く知っているはずである。これまでの歴史の中でも幾多の海千山千の芸人達が瞬間的に沸騰した後、すぐに冷却されて消えていったのである。
これまでのテレビ界の流れから考えれば、そろそろキワモノ芸人の続出を何とか食い止めたいところである。しかし、困った事に彼らの数は減るどころかますます増えている。それどころかキワモノ芸人こそがコメディアンの大本であるかのような風潮さえ生まれてきている。非常にまずい事態である。この閉塞感を打破するには、やはり才気漲る本格派コメディアンの登場を待つより他は無い。もしそういった人材が出てくれば、昨今における芸人の異常増殖に少しは歯止めをかける事が出来るはずだ。そろそろ とんねるずレベルのスター性を持った人が登場しないかと何とはなしに考えている次第である。
橋本繁久
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