ゆりゆり日記
ただ知ること
過去にあつめたカケラで出来る絵は
その瞬間瞬間ごと
いつも完璧だということ
そうして明日を未来を生きていく

2004年11月29日(月) 小さな器

ちょっと難ありな部分を避けて
30センチ以内ぐらいの
はぎれパックを作りながら
細く残った端布が
袋のなかにどんどんたまっていく
なんだかんだ言いながら
結局捨てるところを出しているようで
罪悪感がぬぐえない

それで
例えば着物の衿の
幅狭く長い部分を利用して
ラッピングのときなどに使えるように
リボンを作っておくことにした
もっと細かいものは
プレゼントタグにもできるし
以前友人が作ってくれたみたいに
シンプルな紙袋に切手大の布を貼って
オリジナルのショップバッグもできる

一着の着物を
どんな瑕疵があっても
可能な限り使い切る
まさにそれはわをんの
大切なコンセプトのひとつであって
セイブザ着物プロジェクトを
体現する重要な柱なのだった

そして
扱う商品はリメイクに限らず
ネットショップと同じように
陶器やフェルトや和布以外の素材を使ったもの
レンタルボックスには
何が入るか解らない
けれどいずれにしても
どこかにいるまだ出会っていない誰かの
自己表現によるものたち

こんなにものが溢れている時代に
ひとは何故ものを作るのか
食べて眠り生きることだけでなく
生活のためではなく
なくても困らないものを何故

それはあなたが生きている証
あなたにしかできないものを
その手で作り上げることができたとき
いつか消えてしまうあなたの後も
そのものは朽ちずに残って行く

ひとつのものは
わたしのこころを揺り動かす
作り手のあなたと受け手のわたし
全ての表現がそうであるように
あなたが作ったたったひとつのものが
時にはひとかけらの食物よりも
わたし達を生かしてくれることがある

だからわをんは
その器となろう
こころを満たす自己表現の
手作りの品を盛るための
小さな器としてのわをんを
わたしは作ろう


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ゆりすこ [MAIL] [吉祥堂]

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