ちょっと難ありな部分を避けて 30センチ以内ぐらいの はぎれパックを作りながら 細く残った端布が 袋のなかにどんどんたまっていく なんだかんだ言いながら 結局捨てるところを出しているようで 罪悪感がぬぐえない
それで 例えば着物の衿の 幅狭く長い部分を利用して ラッピングのときなどに使えるように リボンを作っておくことにした もっと細かいものは プレゼントタグにもできるし 以前友人が作ってくれたみたいに シンプルな紙袋に切手大の布を貼って オリジナルのショップバッグもできる
一着の着物を どんな瑕疵があっても 可能な限り使い切る まさにそれはわをんの 大切なコンセプトのひとつであって セイブザ着物プロジェクトを 体現する重要な柱なのだった
そして 扱う商品はリメイクに限らず ネットショップと同じように 陶器やフェルトや和布以外の素材を使ったもの レンタルボックスには 何が入るか解らない けれどいずれにしても どこかにいるまだ出会っていない誰かの 自己表現によるものたち
こんなにものが溢れている時代に ひとは何故ものを作るのか 食べて眠り生きることだけでなく 生活のためではなく なくても困らないものを何故
それはあなたが生きている証 あなたにしかできないものを その手で作り上げることができたとき いつか消えてしまうあなたの後も そのものは朽ちずに残って行く
ひとつのものは わたしのこころを揺り動かす 作り手のあなたと受け手のわたし 全ての表現がそうであるように あなたが作ったたったひとつのものが 時にはひとかけらの食物よりも わたし達を生かしてくれることがある
だからわをんは その器となろう こころを満たす自己表現の 手作りの品を盛るための 小さな器としてのわをんを わたしは作ろう
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