ゆりゆり日記
ただ知ること
過去にあつめたカケラで出来る絵は
その瞬間瞬間ごと
いつも完璧だということ
そうして明日を未来を生きていく

2004年12月04日(土) 馴らされた巨人

恐竜みたいに
おおきなひとを連れていた
着いたその場所までは
ヘリコプターの狭い中に
からだを折り曲げさせて
窮屈なのをなだめて乗せてきた
降りてやっとからだを少し伸ばせたけれど
この先もう少し移動しなければ
自由に動ける場所には着かない

二階建ての家ほど背の高い巨人は
わたしの家族みたいに近しく
自分の一部のように
分かちがたい存在で
とても穏やかで善なるこころを持っている
けれどその様子は
人々を脅かすに充分で
ひとたび暴れ出したら手が付けられないと
誰もが恐怖を感じるようなのだ

化け物を飼っている
何かあったらどうするんだろう
普通じゃない
自分が手におえるものだけにすべきだ
その存在と一緒にいることで
たくさんの批判にさらされる
常識や誰かの人生観が
それを手放すように勧める

けれど
わたしにとって
それを手放すことは
自分ではなくなるということ
ともかく今は
どうにかしてそのおおきなひとを
次の場所まで安全に
移動させなければならない

そんな夢を見た

眠る前にどうしても浮かんできた言葉の矢に
囚われている自分を感じていた
無理だと言われるのは構わない
批判は百も承知だしそれで解ることがある
けれど
その人が持つ価値観で
わたしにも生きろと言われたとき
それはもう既にわたしではなく
わたしのこれまでの人生も消えてしまう

誰も束縛したくない
ひとの数だけ幸せのかたちがあって
なにをいちばん大切にするかも自由だ
誰もが自分なりの方法で
笑えるように生きればいい
巨人を連れていくのはわたし
誰の人生も否定しないし
脅かしたりもしない

怖いなら近づかないから
殺せと迫らないで
そのままでいてくれたら
なにもなかったみたいに
いつもと同じあなたの日々があるよ
あなたの世界は変わらずにそこにある
怖がらせるつもりはなかったんだよ
ごめんね


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ゆりすこ [MAIL] [吉祥堂]

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