準備もなんとか無事に完了し 外の駐車場に打ち水と 敷地の角と入り口の両側に お清めの塩を撒いた 既に緊張はなく やっとこの日を迎えられた 清々しさでいっぱいだった
オープンすると間もなくお客様があり 商品の詳しい説明をしたり お茶を出したり 二人体勢でフル回転 多くは誰か関係者の知り合いだったせいもあって 余計にゆっくり時間を掛けて 見てもらうことを心掛けた
自分がいて心地よいスペースに 本当に作りたかったものを並べ 売りたいように売るということが これまでの全てのフラストレーションを 一気に解消してくれて それがそのまま売上げにも反映した
フタを開けてみて 実際に得られたものは いろんな人との新しい繋がりや これからの展開へのヒントなど 眼に見えないものが沢山だったけれど ともかくわたしにとっては この道でこのまま進んでいいのかどうか 大げさじゃなく生活を掛けた 最後の審判を待つような気持ちだったのだ
製作した商品の値段は 安いに越したことはないだろうけれど もし今の売り場をやめて次に移行するとすれば それ以上の収入がなければ意味がないと思った ひとつひとつに込めた工夫やこだわりが 自己満足で終われば つけた価格ではただ高い印象しか持たれないはず
直前まで悩んでいたそんなことも お客さんの反応を得て吹き飛んでしまった これからもっともっと 自信を持って作って行こう 買ってもらった同じ形の商品を また作るかどうかは解らないけれど 今までのように ひとつずつ違う着物の生地を触っては 一番相応しい形を探しながら縫おう
次回作を待ってくれるお客さんがいる それがこんなに嬉しいだなんて 本当に本当に頑張ってよかった まだまだ展示会は始まったばかり これからどんな出会いがあるんだろう
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