ゆりゆり日記
ただ知ること
過去にあつめたカケラで出来る絵は
その瞬間瞬間ごと
いつも完璧だということ
そうして明日を未来を生きていく

2005年06月21日(火) 革の鞄

久しぶりに製作材料以外の買い物をした
なんかこう社会に出て
初めてのお給料もらった気分にも似て
服を売って稼いだお金は
いつも心配を掛けている身内に
何か贈りものをと考えた

かと言って
服というにはサイズもあるし
それはおいおいということにして
Hさんの親戚の鞄屋さんで選ぶことに
鞄屋と言ってもそこはお店ではなく
社長が自らひとりで
イタリア製の革をなめし
しこしことミシンを踏んで作っている

革は半端ものを安く手に入れているので
大きさがまちまちの一枚から
出来上がるバッグの大きさもいろいろ
それでも絞られたいくつかの
定番を見比べながら値段を聞き
悩みに悩んで選んだのだった

全工程正真正銘の日本製
卸で出すとしたら
市場に出るまでに
少なくとも二社は間に入り
それぞれが価格を乗せて
たぶんとても気軽には買えない値段になる

ネットで売らないかとHさんに言われ
即座に断わった
どれもまるで革とは思えないような
精妙な表面加工が施されていて
その素材感を画像で伝えるのは
到底わたしには無理に思えた

触るとしっとりとしているのに
光線の加減でつやが出る
技術のないわたしが撮れば
ただ安っぽく見えてしまうだろう
何枚撮ったか解らない陶器のように
いくら敷物を変えても照明を工夫しても
撮れば撮る程悩みそうだった

人の物を代わって売るのは簡単な事じゃない
売れなければどこかで
その良さを伝えきれなかった自分を責めることになる
まだ直接お客さんに対してなら
その都度反応を見ながら
言葉を重ねることができるけれど
今更ながら
ネットでモノを売ることの難しさを思った


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ゆりすこ [MAIL] [吉祥堂]

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