ゆりゆり日記
ただ知ること
過去にあつめたカケラで出来る絵は
その瞬間瞬間ごと
いつも完璧だということ
そうして明日を未来を生きていく

2005年06月28日(火) もの持つ動物

うちげえのアートおおやへ
思ったより陶器のボリュームが多く
木工家具に書に絵画と比べても
見たかった木彫りが少なく残念
帰ろうと道をぐるぐるすると
思いがけなく第二会場を見つけ
そちらに木彫り作品があった

大好きな松田政斗さんの彫りは
お兄さんの手による木工家具に
施されたもののみだった
深みがあって独特の鮮やかな彩色の
さかなやふくろうが隅に彫られていて
実用にしてしまうのが惜しいほど

一昨年画廊に覗ったときに並んでいた
数々の作品を思い出し
また見てみたくて
但馬木彫のサイトを検索した
ももを捧げたうさぎ
立ち上がってうやうやしい感じの
贈りももの別バージョンが
あの時一番気に入ったのだ

動物がなにかを持つという
擬人化した動作のひとコマが
わたしを別の世界に連れて行ってくれる
そのモノだけを見ると
ちょっと現実的で
加えるものによっては
ファンタジーから引き戻されてしまいそう
なのに動物はモノの存在によって
きちんと物語の中に生きている

喜びや悲しみや怒り
そんな風にはっきり分けられない
まだ未分化の感情が
どこかわたしの奥底にあるのを感じる
潔く切り取られた
政斗さんの物語の一場面に触発されて
マグマのように
ふつふつと全てが混じりあったまま
あることだけは確かに判る

見えない物語の前後は
そうやって
見る人ひとりひとりのなかに
混沌としてあるのだろうか
それをもっとはっきりさせたいと思うからこそ
また何度も見たくなるのだろうか

松田政斗さんの作品
http://www.tajimamokutyou.jp/sakuhin/masato.html


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ゆりすこ [MAIL] [吉祥堂]

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