このところ 引越し先を探す夢をよく見る 最初はアパートの広いワンルーム 次は古い高層マンションの一室 もちろん現実には どちらも行ったことのない場所
夢のなかでは 部屋を見ながら 実際に引越すことを 頭の中でシュミレーションしていて それぞれに自分のイメージとは違うけれど ここもいいじゃない なんて思っている
で 夕べは古い木造家屋だった たまたま何かで訪れたその家の若夫婦が もう別の家に越すので もしよかったらと言う話になった 言われるまでは全く考えていなかったので 自分が住むという視点で 改めてその家を見てみた
亡くなった先代は そこで長く養蚕をしていた 広い土間があり 蚕を飼っていた屋根裏があり 奥には古い箪笥のなかに 古い着物がそのまま残されていた
若い夫婦が暮らすために 後からつけた 新式のトイレや他の水周りと 旧式のものが場所を違えて混在し 壊れた壁は 住みながらなお手が掛かりそうな予感がした
けれどその家の大きな犬が 来客にはしゃいで 広い庭を駆け回るのを見て キクがいる間に この場所に出会っていたらと思われて もういちど犬を飼えそうな気持ちになった
たくさんの蚕が育った家で 蚕が産んだ絹の布を縫う 夢だからこその新天地には 現実に考えだせそうもない ちょっと素敵な物語があった
|