ゆりゆり日記
ただ知ること
過去にあつめたカケラで出来る絵は
その瞬間瞬間ごと
いつも完璧だということ
そうして明日を未来を生きていく

2005年10月31日(月) もてなしの心

あっという間に月末
間近に特別公開を控えているので
どうやらまた
販売しながらの締め作業は無理そうと
書類を持ってわくわく館へ
5日には渡さなければならないから
今日中に目途をつけたいところ

お客さんが増えて
どうしてもその日の集計が終わらず
先送りにしているせいで
単純な計算ミスもぽろぽろ
そんなのがひとつひとつクリアになっていき
何とか5時には大方終えた

それはともかく
ちょっとした楽しみを入れようと
お昼にランチのコースを食べた
誰かが作ってくれたものをいただく
もうそれだけで嬉しく
目新しさも楽しめたのだが
お店を出た後味はあまりよくなかった

カルパッチョにキャベツ
塩気の強すぎるクリームパスタ
グラニュー糖が掛かりすぎて
がしがしと氷を割るみたいなブリュレ
どれも小さなことなのだが
ちょっと日常を離れた優雅さを味わうには
どうなのかという思いが
皿が進んで行く度に積み重なった

我慢して食べようとしたHさんの
料理の中の髪の毛を指摘した
茶色い強毛は明らかに彼女のものではなく
店長は謝って新しい皿に替えてくれた
それは彼のものでもなさそうで
思わず最初に対応してくれた女の子の頭を
眼で追ってしまったのだった

気を取り直し味わいながら
わたしだったらもう少しのお詫びを
プラスするだろうなと考えていた
しばらくして
グラスワインをもう一杯注ぐとか
デザートにもう少し楽しみを追加するとか

そう思うのは
あまりにもあっさりした
詫び様だったせいかもしれない
けれどたぶん
その髪の毛の一件がなかったとしても
お店の印象は変わらない
自分で作ったものを
きちんと味わってみればすぐ分かることだ

日々流れるようにお客さんを迎える中で
そのお客さんにとっては
たった一度の来店が全てなのだ
そう解ってはいても
つい心を失ってしまうことがある
ひとりの売り場をふと振り返ると
忙しくて切り捨ててしまったことなどが浮かび
ちりちりと胸が痛んだ


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ゆりすこ [MAIL] [吉祥堂]

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