何度も日時を忘れては確認していた 中学校の懇談があった 卒業後の進路は とうに通信制の高校と決めていたが 体調が戻ってきたせいか 先生は全日制の高校を勧めた そこはパソコンの教育に力を入れているから 興味の方向が合うのではないか というお話しだった
ようやく半分ぐらい 排泄物がかたちになってきたのは どうしても学校へ行かなければという プレッシャーがなくなったせいだと思う けれどこの段階で 先の集団生活を決めてしまうことは やはりまだ不安だと話した
そう話はしたが たぶん体調が完全になったとしても そういう選択肢はないだろうなと 密かに思っていたわたしだった 先でどうなるかは解らないが 上のコの個性には 自分でやるということが あまりにもぴったりしていて なるべくしてこうなったと思えるこの頃なのだ
孤独じゃないか そう先生はムスコに聞いた けれど学校という共通の場での繋がりは かりそめでしかない事が多い 何より学級目標を受験戦争と決め それに疑問も感じず向かっている子ども達は たぶん誰よりも孤独なはずだ
競争することでしか 手に入らないものは一体なんなのか 勉強は自分のためにしたい その彼の言葉を こころから正しいと思う そして 充実している と言い切れる今が本当に嬉しい
あなたは幸せだよ 家に帰ってそう言った 世間一般の価値観をどこかでバカにしながら 結局捨てる勇気がなかったわたしは 随分遠回りをしてここにいる そもそも親の期待を裏切るような選択肢は 到底浮上させることができなかった
けれど個性はいつか発露を求める 一足飛びに彼はそこに向かって行ける もちろん簡単じゃないけれど 身体を壊してまで訴えた 自分だけの道に向かって
|