朝っぱらから タクシーの運転手とやり合った ことの起こりは 直接わたしに関係なかったんだけど なんか逆ギレされて こっちもぶち切れた
名前を聞かれ県に言うと言われた 県でも市の職員でもないと返し 一応館長には ひょっとしたらお耳に入るかもと報告 それは向こうの方が ヘタをすると首を切られると言われ なるほどあの運転手はわたしを脅しながら 自分の弱い立場を露呈していたのだった
それとは関係ない件で わたしがどこと労使関係になっているのか 考えても解らなかったと友人 協会と販売契約を結んでいるのはHさんだし わたしはただわをんの事業主でしかない 自分の主人は自分という事実が 違ったふたつの方向から浮き彫りになった
それはわたしにとって 限りない自由を感じる立場だが 同時に社会的には不安定でなんの保証もない けれど他人を保証することになって 初めて実印の必要に迫られた これまでも何度か注文しようと思いながら とりあえずでは決められず ずるずると機会を逃していたのだ
それで改めてネットで探し どこにもないようなオリジナルの印鑑を発見 早速注文したのだった それを使うようなシーンが そうそうあるとは思えないが ようやく少し一人前になった気分だ
それにしても 館長に言われた言葉が残る 怒ったらさぞ怖いだろうはいいとして わたしは瞬きをしないと言うのだ 人と話をするとき そんな風に凝視しているとは これまで全く気付かずにいた
眼力と言えば聞こえはいいが 話している相手の表情を 一瞬でも逃すまいとしているんだろうか それとも 言葉の奥にある本当のこころを 見つめようとしているんだろうか ふと いつも煮えたぎる何かを湛えたような 父の眼を思い出した
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