ゆりゆり日記
ただ知ること
過去にあつめたカケラで出来る絵は
その瞬間瞬間ごと
いつも完璧だということ
そうして明日を未来を生きていく

2006年02月04日(土) 記念日の訳

鬼を祓った節分から
一夜明けた立春
わをんの開業届けを
この日付けでしてから3年が経った
それが3日だったか4日だったか
正直なところ忘れていたのだが
今日になって何故この日を選んだのかが
ようやく腑に落ちた

長い長いこの地方の冬は
ゆうにあと2ヶ月は続く
ようやく消えた雪が
昨日からまた新たに降り積もり
陽の光にキラキラと輝いていた
立春という響きとその光が重なって
一刻も早く春を呼びたかった

鬱々と寒さに籠って固まりながら
何とか新しい風を入れたいと
冬のど真ん中で思う
そのあがきがどうしても
この日でなくてはならなかった
何も準備していなくても
ともかく最初の一歩を踏み出したら
全ては動き出しそうな気がした

けれどその後
わをんの中身は二転三転して行った
その名前を展示会はおろか
機会があっても表に出したくなかったのは
自分自身何を柱にして行くのか
いつまでも中途半端だったせい
だから実店舗もその一歩手前で
足踏みしたまま

でも今こころから思う
店舗があってもなくても
仕入れる商品や委託品がなくても
まず自分の作った服があるということが
何にも揺るがないための大前提だ
しかもそれを
誰かに媚びたり
特定の立場を利用することもなく
正々堂々と売る

路地裏の露天でだって
ふわりと掛かった服が
本当に素敵なものだったら
きっと誰かが手にとってくれる
奇をてらわない
生地のよさを最大限に引き出した
わたしなりの服作りができたら
それは必ず誰かに伝わるはず

一切の言葉もなく
伝えたいすべてを服に込めて
流れ流れてどこかに行き着いても
ただそこにあるだけで
たったひとつの輝きを
静かに放っている
そういう服作りができるように


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ゆりすこ [MAIL] [吉祥堂]

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