毎日言い続けてようやく カメ3匹の水換えをする下のコに伴って 無事に巣立ちを迎えたツバメの 落下物受けに置いた箱を片付けた いや本当は 今年も一羽がダメだったのだが
あまりにも小さく狭いうちの巣に 今年は5羽の雛がいた いつかの年には 身体が水泡みたいになった一羽が落下 そしてまた他の年には 巣立ったはずのツバメが 壁にでも激突したのか 道路際に落ちて死んでいた
今年の一羽は 仕事から帰ると箱の中で震えていた もうすっかり大人みたいな他のに比べ 毛も生え揃っていないし痩せている 再び巣に戻しても またはじき出されるに違いなく リスの古い巣へ布にくるんで入れてやった
ジッと親鳥の鳴きまねをすると それに応える力はあるので 粟玉を水でふやかして 口ばしに持って行った けれど食べるそぶりはなく 獣医さんから借りた本で調べると ぶるぶる震えるのは熱病か何かで 救うのは難しいようだった
ともかく食べられるものをと 釣り具屋でミミズを買ってきた けれどそれをあげようとした次の朝には さらに弱っていて 口を開いて小さなミミズを入れてあげても 嚥下する動作をいちどしたきり飲み込めないので 代わりに少し水で口ばしを湿らせた
巣の中には 夜中にしたと思われる 最後の消化の証があった こんな状態なのにと つい キクの最後のうんちを思い出した そうしてどんどんツバメは冷たくなって あっという間に死んでしまったのだった
また死に水だ 沢山生まれるツバメの中で こんな風に自然の摂理で死ぬものは 当たり前にいくつもいる きっと手を出してはいけないことなんだろうと思う けれど これが人間だったらと考える ひょっとしたら 死ぬべき定めの命がいくつも救われていて それはこの自然界の バランスを崩すことにはなっていないんだろうか
それとも わたし達人間が 高等生物として行うさまざまな格闘それ自体も もっとおおきな摂理の中に 組み込まれているに過ぎないのだろうか
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