ゆりゆり日記
ただ知ること
過去にあつめたカケラで出来る絵は
その瞬間瞬間ごと
いつも完璧だということ
そうして明日を未来を生きていく

2006年07月17日(月) ソーイングバスケット

昨日はコウノピアの入館者4千人だったそうで
売り場の賑わいもとんでもなく
一時すぎに一度トイレに行ったきり
ひたすら販売マシーンと化した
もう絶対集計が終わらないと思い
お客さんには申しわけないが
少し早めに商品に布を掛け始め
5時にようやくお昼ご飯を食べることができた

んで今日は朝から
ソーイングバスケットの作業風景を取材
全部手作業なのに
工賃はびっくりする程安いままなので
直販の道を作って何とかしてあげたいと
オークションで地道に売っている
友人からの要請で動いた訳なのだった
それをどんな風に位置づけるかは
ページを作ってみて考えるとして
ともかく何十年と変わらないこの商品を
今も探している
ひとりでも多くの人たちの眼に触れさせたい

久しぶりに伺った作業場に
変わらない師匠の帽子姿があった
友人はビデオを
わたしは主に写真を担当
行く前から撮りたいと考えていた
朝はまずその音から始まるラジオや
いい感じに古びた片隅の木棚や道具類
外水道の脇の金ダライ
そんな何気ない風景全てが
実直な師匠の仕事を物語るのだった

何日か編み修行に通わせてもらったときには
しみじみ眺めることのなかったさまざまな工程も
そのひとつひとつが知恵と工夫に溢れていて
ひたすら驚き感動するばかり
それは師匠ばかりでなく
案内してもらって訪問した内職先でも同様
いや
内職と呼ぶにはあまりに技に過ぎ
到底誰でもができるような仕事ではないのだ

その全工程に対する適正な手間賃は
いったいいくらなんだろう
帰り道にふと友人がつぶやいた
そう考えると気が遠くなる
本当に今のソーイングバスケットは
まるで奉仕とでも呼びたくなるような
真摯な努力と善意で成り立っている
それをきちんと伝えなければと
思いがけず頂いてしまった
デッドストックの逸品が重くなる

けれどたぶん
あれこれ悩んで作りこむ必要はなく
きっとどこかに
既に新しいページはできている
そんな予感がする


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ゆりすこ [MAIL] [吉祥堂]

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