職場へ向う途中、地元私鉄の線路沿いをいつも通る。
各駅停車しか止まらない小さな駅なので、駅を挿んで100m前後の踏切が同時に下りると大抵「急行」か「快速」が走る。 「急行」や「快速」は小さい駅をすっ飛ばして、早く遠くへ人を運ぶ為の電車だから、京都、奈良の観光名所のイメージイラストや、沿線のテーマパークのキャラクターが、宣伝を兼ねて、車体全体に書きこまれたモノも走る。
《デコトラならぬデコトレ(デコレーション・トレイン)と呼んでいる。》
いよいよ梅雨到来の天気予報の次の日にもかかわらず、晴天で風も気持ちイイ。 機嫌よく鼻歌混じりで、自転車をこいでいると、5、60m程先の踏切の 遮断機が下りる「カンカン…」という音が、上昇し広がるように響く。
すると隣を青いものが走り去って行く。 見たことのない車体…。でも青い物体は何処かで……。
――――――『ドラえもん』だった。
沢山の大きな丸いドラえもんが、何人も何人もニコニコ笑いながら、私の自転車の横を摺りぬけていった………。
夢 に 見 そ う だ ………。
|