武ニュースDiary


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2020年05月11日(月) 「天下雑誌」2014年12月号「金城武効果」・3

は神秘的であるかもしれない、だが、世間と遊離しているわけではない。
自分の行ったアイスバケツ・チャレンジを、彼はごく普通のことだと思っている。
したいと思ったことをしただけなのに、人々が何にそんなに驚嘆し、
シェアしまくるのかがわからない。

彼の反応は、今年の金馬奨で、最優秀主演男優賞、最優秀助演男優賞、最優秀新人監督賞の
3賞をさらった中国の俳優、陳建斌(ちんけんひん)を思い出させる。
陳建斌の外見は、老成感があり、マスコミはよく、彼と同い年で、
同じく雍正帝を演じた呉奇隆(ウー・チーロン)と比べたがるが、
彼は理解できない。
「アーティストであれば、独自の様子、考え方、気質があるべきだ。
自分自身であればあるほど、世界にとって大事な存在になるのだ」

金城武はこのような文学性あふれる話は絶対にしない。
自分を弁解しようという気持ちもなければ、
世間にどう見られているかはどうでもいいとも思っている。
人に定義されることも、他人が思っている金城武を演じることも好まない。
真に「自分自身でいる」のである。

25年前のデビュー以来、マネジャーを務めてきた姚宜君(ヤオ・イージュン)は、
次のように語る。
「彼はシンプルで、何事も自然に任せる人です。
有名になろうとか、金持ちになろうとか、考えたことがありません。
家庭や家族を重視する方で、人生で追及するのは、楽しさなのです」

2009年、映画「レッド・クリフ(赤壁)」の宣伝期間に、
金城武は日本のマスコミ取材で、次のように質問されたことがある。
「もし三国時代に生まれていたら、あなたはどの人物だったと思いますか」
誰もが趙雲や関羽、諸葛亮を思い浮かべていた時、彼はこう答えたのだ。
「きっと普通の農民だったでしょうね。
ぼくは戦いは下手だから武将にはなれないと思います」

外形が良いだけでなく、かようにシンプルであることに安んじている人間が、
どうしてめまぐるしくふるい分けの行われる芸能界で、
現在の地位に留まり続けることができるのであろうか。
なぜ、顔色一つ変えず落ち着いているのに、
怒涛の如く強力な影響力を持つのであろうか。

商業効果という点で、もし、台湾の2014年度・時の人投票があったとしたら、
選ばれるのは、いずれかの企業のCEOなどではなく、
映画スターの金城武であろう。
金城武はブランドの価値を伝えるのみで、商品の効能を説くことなしに、
高品質ブランドのユーザーに対し、余人には不可能な商業効果を起こすのだ。
国際クラスの航空会社のレベルの高さを語り、
中華電信の保守的イメージを打ち破る。
エバー航空から中華電信、シチズンに至るまで、
いずれも売り上げを伸ばすのに成功した。

彼は一体どのようにしてこのような境地にたどりついたのか。
それには、25年前、所属事務所であるフーロンの董事長、葛福鴻が
彼と契約をした当時から話を始めるべきかもしれない。
葛福鴻は台湾「バラエティの母」と呼ばれ、
「週末派」「連環泡」「超級星期天」など、広く親しまれた番組を制作した。
当時、台湾には芸能人のマネジメントという概念は、まだあまり無かったが、
彼女の炯眼は、テレビCMの中の「飛び出して来て、ぐるりと回って、
ボケッとする」1人の高校生を認めた。

葛福鴻は、当時台北アメリカンスクール在学中だった金城武をf自ら訪ね、
彼がバイクを買いたがっているのを知ると、アルバイトになると説得し、
芸能界へ足を踏み入れることを承知させた。
こうして18歳の金城武は、初めてのテレビドラマ「草地状元」に出演し、
CDを出し始める。
最初のCDは台湾語の歌であった。

「それは台湾語が彼の母語だったからなんです」とヤオ・イージュンは語る。
台湾と日本のハーフである金城武は、台湾語と日本語は中国語より上手だった。
2人が知り合ったばかりの時、彼は中国語が全然わからなかったのである。
「あの頃いつも変だなあと思っていたのですが、彼と話していると、
よく返事をしないことがあったんです。
若者特有の、粋がってわざとそうしているのかと思ったのですが」
後になって、全然意味が分かっていなかったからなのだと知った。

それは、なぜマスコミが昔から、
金城武のことを口数が少ないと思っていたかの理由でもある。
本当は、頭の中で一生懸命単語をかき集めていたのだ。
「読書が好きで、中国語を読むのも、頑張って習得しました。
彼がよく哲学書を読むのにちょっとびっくりして、
いつだったか、読んでわかるの、と聞いたことがあります。
すると彼は、どっちみち見てはいるから(中国語の読む=看は見る、という意味もある)
と答えたんですよ」
(続く)


まだまだ続きます。



   BBS   ネタバレDiary  22:00


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