ネットより読書の方が楽しくなってきた今日この頃。
ハイ。観音デス☆
帰宅したA男を拉致ったアタイ達。 いざ告白。 「遅いよ、観音サン。」 そうよ、そのセリフを待ってたの。 さあ、張り切ってゲロってイタダキマショウ。 「好きなコいるんでしょ?」 「んー…。」 ソコ。濁らすな。 今のアタイの立場を考えろ。 関係ナイとは言わせねェ。 「誰なのか聞いてもよい?」 「…ゴメン。今はまだ言えない。」 なんですと――――っ!?(鼻血) 「私には関係ナイから?」 「そうじゃなくて…ちょっとモニョモニョ。」
ダ―――――ッ!! ハッキリしねェヤロウだなコンチクショーは。 この為に費やしたアタイの時間を返せ。(←自業自得) こうなったら…と。 A男をとっても好きなので心配してる設定に切り替えた。 アンタ男でしょ? いつまでそうやって逃げ回ってんの? ホントに大切だと思ってんなら、 もっと正々堂々としたらどうなの? どんな状況になっても守ってやんなさいよ。 そんなんで恋だの愛だの言ってんじゃねーぞ。 つーか、あんだけヒトを巻き込んどいて、 自分達だけお気楽に幸せになろうなんざ甘いんだよ。 フーザーケールーナー。 的なコトを遠まわしにウダウダと述べた。 振られた腹いせにヤツアタリしたも同然の言動である。
「言ったらどんなメに遭うか分かるもん。」 だから甘えるなつってんだよ。 テメェで撒いた種だろうが。 とばっちりで妙な噂立てられたコッチの身にもなってみろ。 辛いだの悲しいだのは他人に押し付けといて何言ってんだ。 楽しいのも嬉しいのもアンタら2人ダケなんだよ。 ウソで固めて他人様陥れて楽しいか? アンタはそんな女が好きなのか? つーか。 仮にも好きだった女をあんな目に遭わせといて知らんぷりか? イイ度胸してるじゃねェか。イヤガラセか?復讐のつもりか? 俺が何とかしてやる、くらい粋な言葉は言えんのか。 甘やかしあってるダケのママゴトなら今すぐやめろ。 そんなのの犠牲になるつもりはナイ。イイ迷惑だ。 的なコトを、 カナリ遠まわしにかつ、おしとやかに伝えた。(どうやって?) ガラスの仮面風味に言うならば、 とうとう仮面(化けの皮)が剥がれたと言える。
アタイの作戦は見事に失敗し、AB女と共にすごすごと退散。 「…で、何が分かったの?」 「ぃゃ、確実には何も…ゴメン。」 「Aのコト甘く見すぎたね。」 「そのようね。って…ハ?」 「スッカリAの言いなりだよ、アレは。 絶対にあのコはボロを出さないと思うよ。」 「ドコまで分かって言ってる?」 「今度は観音サンが私に付き合ってね。」 「ドコへ?」 「待ってるヒトがいるの。」 AB女に連れて行かれた先で待っていたのは、 OチャンとMチャン、そして初登場のHクン。
「どうだった?」 「先に手を打たれたみたい。」 「昼間、Bサンに言ったのがマズかったんだよねェ。 黙って行きゃA男1人でアタフタしたハズなのに。」 「観音サン、バカ正直で詰めが甘いから。」 「…さっきから何の話をしてる?」 「最初はね、B男サンの友達を好きになるコトで、 B男サンのプライドを傷つけようとしてるかと思ったの。 本人が気付いてるか気付いてないかは別として。 観音サンがA男を好きになる理由がナイんだもん。 好きだって思い込んじゃってるのかなぁって。」 「本気で好きだったら失礼だろ…その言い草は。」 「観音サンて滅多にヒトのコト嫌いにならない分、 嫌いになったらトコトン嫌いじゃん?」 「そのうえ友達とケンカしてまで突き進むタイプじゃないもん。 自分のコトになると凄まじく自虐的だしさ。」
「で、そんな話してるのをHクンに聞かれちゃって。」 「お前らバカ?って鼻で笑われたんだよねー。」 「あん時はマジでムカついたよ。」 「自分の信じたいモンを信じてりゃイイだろ。 女の集団心理って1番嫌いなの、オレ。」 「はぁ…。」 「1人で何とかしようなんて考えないでよね。」 「じゃあ今までと変わらずにいてくれたのも?」 「私達をあんま甘く見ないでよ。」 「エラそうに…オレのオカゲじゃねェか。」 「ウルサイね。だからアンタは嫌いだっつってんだよ。」 「なんだとー?」 激しい口喧嘩勃発。
OチャンとHクンは非常に仲が悪かった。 Hクンの横柄な態度は店内でも評判で、 Oチャンのズケズケは可愛気があるが、 Hクンのズケズケは皮肉が効いててとにかく痛い。 職場の殆どのコがHクンを苦手としていた。 実はアタイもなんだが。 苦手だから距離を置いて接していて、 Hクンのコトなど何も知らないも同然だった。 こうして話してみると、イイヤツなんだなぁと思う。 ろくに付き合いもしないのに勝手な判断をするのはやめよう。
「そーだ、観音サン。 明日から大変だねぇ。スッカリ噂の的だよ。 何たって親友の好きな男に告白しちゃった居直り女だからな。 テメェのケツはテメェでチャンと拭けよ?」 憎たらしいほどに笑い飛ばしたHクンを、 今ではコレっぽっちも苦手だとは思えない。 「ちょっとアンタね、そういう言い方ないでしょ?」 2人のケンカを見ながらふと思う。 「なんだかんだ言って気が合ってんのね?」 「ギャー!冗談でもやめてっ!」 めっさ本気なんデスガ…。(-∀-;) 「何照れてんだよ。」 「誰が照れてんだよ!」 「オメーだよ。まあオメーに好かれても嬉しくもないが。」 「アンタのそういうトコが大嫌いだって言ってんの!」 「他は大好きなワケね?」 「バッカじゃない?死ね!」 まるで小学生のケンカだ。 しかも2人とも生き生きとして、とても楽しそうだわよ。
その日の夜中。 コーン…コーン…コーン。 アタイの部屋の窓(2階)がうるさく鳴いている。 不気味に思いながらも顔を出すと、 バイクに跨ったHクンがニコニコ笑って手を振っていた。 …つづく。
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2003年09月01日(月) |
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