ふたつのこころ

2008年04月27日(日) 「もう」と「まだ」

「まだ1年だもんね」と、久し振りに会った友達に言われた。
うん、元彼と別れてからの月日です。

私は『もう1年経った』と思っていたけど、その子にとっては「まだ」だった。
その言葉を聞いて、私は、また虚勢を張りかけていたことに気付いた。

『もう大丈夫だ』って思おうとしているし、
『なんとも思ってない。わだかまりもない』と人に言っている。
ここでも、書いている。

でもなかなか動けなかったり不安に襲われるのは、
やっぱりまだこだわっているのかもしれない。

泣いたことも、情けない姿を見せたことも、別れたことも。
全部後悔はしてない。
あの時の出来事は、全て自分のために必要だったって思う。
それは本心。
だって、あの時の事がなければ、あの子と別れていなければ、
私は貴方に出逢えていないから。

あの子と別れたから自分を取り戻せたし、
あの子と別れたから心のままに動けるようになって、
私は自分が好きだと思うものの為だけに動けた。
そして、貴方に出逢った。

それはもう、他の何にも変えられないかけがえのない出逢い。
あの子に別れを選んでくれたことを感謝してしまうほど、大切な出逢い。
別れたという事実は、私にとって必要な出来事だったと、本当に思う。


でもだからと言って、全てのことを乗り越えたわけじゃ、ない。
まだ、怖い。

私が怖いと思っているのは、別れの時じゃない。
やさしかった人が、豹変してしまう。
どんなに言葉を投げかけても、反応がない。
一緒にいても、私の姿がそこにはないような素振り。
冷たい視線。
思い出すと、息が詰まるほど怖くなる。
殴られたりした方が、マシだったかもしれない。
決してDVを肯定しているわけではなく、
目に見える傷をつけられた方が、私はもっと早くに気付けたかもしれないと思うから。


嫌な思い出ばかりなわけでもない。
楽しくて嬉しい思い出もたくさんある。
大好きだったし、愛されていたし、大事にしてくれていた。
それは理解している。

でも、怖い。


貴方はすごくやさしくてあったかい人。
でも良い所しか見ていなくて、本当は冷たい人だったら?
あの子も最初はやさしかった。
あの子をあんな風にしたのは私なんじゃないかな。
じゃあ、貴方のことも私は変えてしまうんじゃないかな。

片想いなのにそんなことを考えるのはおかしいよね。
でも、怖いよ。

貴方はいつも、私が求める以上のやさしさをサプライズでくれるけど、
それは一定の距離を保ってるからなんじゃないかな。
もう少し近づきたいと思えば、拒絶されるんじゃないかな。

そんな風に考えてしまう自分が、嫌だ。
でも、怖いんだよ。
もうあんな風に、好きな人に否定されるのは嫌なんだ。


ダメだなぁ、不安定だ。
あの頃の私とは違うし、
貴方もあの子ではないことを頭では理解しているし、
貴方はとても大人で、どんな話でもちゃんと目を見て聞いてくれる。
弱音も喜びも、ちゃんと聞いてくれる。
何度も不安を抱えながら会いに行ったけど、
一度だってその不安が当たったことなんてない。
貴方に関しては、悪い予感は当たらない。

なのにだめだね。
心はまだ、ちゃんと乗り越えてないみたい。

でもね、不思議なんだよ。
こんな風に落ち込んでいても、貴方を思い出すと少しだけ前を向ける。
『怖い』と胸を締め付けられても、貴方の言葉を思い出すと息が出来る。
不安の涙が、止まるの。
本当に、不思議な人。

いつか、貴方のやさしさは、氷を溶かしてくれるかな。


 きのう  ひび  あした


みかる [めえる]

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