驚いたのは、貴方からメールがきたこと。 ケーキの感想が書かれていた。 帰り際に『メールする』とは言われなかったから、ちょっと驚いた。
いつも私が先にメールを送って、その返事がくると言うパターンだった。 でも今回私は、何を書いて良いか分からなくなって送れずにいた。
でも私がメールを送らなくても、ちゃんと感想を言ってくれるんだね。 時間があれば、ちゃんとメールしてくれるんだね。 土曜日にまた会うのにメールをくれて、驚いた、本当に。
ケーキは、貴方の口にピッタリ合ったみたい。 すごく美味しかったらしく、作った甲斐があったよ。 無事に帰れたかどうかも心配してくれて、ありがとう。
でも、すぐに返事を返せなかった。 まだ、何を言って良いのか分からなくて。 ケーキを喜んでもらえたことも、この間会えたことも嬉しかった。 それをすぐに伝えたかったけど、それ以上に切なかった。 凹み全開のメールを送ることも、 自分の気持ちを無視した内容を送ることもしたくなくて、すぐには返事を返せなかった。
そんな時、友達に会ったんだ。 貴方のことを少しだけ話したことがある子。 まだ、出逢って間もない時の話しかしてなかったから、今の状況を喜んでくれた。
ふたりで話せること。 彼女がいないこと。 ケーキを食べてくれること。 相談に乗ってくれること。
「以前聞いた時より、予想以上に進展してるやん!」 そう、喜んでくれた。
進展、してるのかな。
よく考えれば出逢った頃よりも、うんと距離は近づいている。 すごく歩みは遅いけど、自問自答をしながらだから当たり前なのかもしれない。 自分の気持ちの整理をしながらだから、遅いのは当然。 なのに私は、いつの間にか焦ったり、多くを望みすぎていたのかもしれない。 早く近づきたくて、もどかしかったのかもしれない。
それからもうひとつ。 『もっと自信を持ってね』とも言われた。
『確かに年下の子が無邪気に話したりするのは可愛いと思う。 でも、みかるには受け止めてくれるような、しっとりとした雰囲気があるよ。 みかるといると安心するもん。癒される』 なんて、嬉しいことを言ってくれたり。
私は自分が癒し系とか落ち着いているとかは思ったことはないし、男の人に言われたこともない。 でも、消極的で嫌だなと思っているところは、 人は『控えめ』とか『やさしい』と見てくれることもある。 それ故に、『もっと自信持って!』と、よく言われる。 不思議だよね。 自分の短所が、周囲からは長所に見られたりするんだから。
でも、貴方の前では凹んでる姿をよく見せてしまうし、 励ましてもらってばかりいる。 どちらかと言えば、私が癒してもらっているような気もする。
私は、貴方にちゃんとお返しが出来ているのかな。 ケーキやお菓子を作っていくばかりで、他に何か返せているのかな。 頼ってばかりで、やっぱり情けないな。 彼女でも、親しい友達でもない私の話を聞いてくれる貴方は、すごいと思う。
ああ、そうか。 私はやっぱり、貴方に何もお返しが出来ていない気がして凹んでいるんだ。 貴方を笑顔になって欲しくて、 でも、それがなかなか出来なくて凹んでいるんだ。
もっと、ちゃんと自分の足で立ちたいな。 泣き言ばかり言わずにいられるくらい。 貴方の隣りに立てるような、そんな人になりたい。
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