SPICY TALK

行商に出掛けた。
あまりにも金がないからだ。
家の中を捜し回り、プレステ本体とメモリカード、いただきストリート２を売ることにした。
ブツを大き目のリュックに詰め込み出かけようとすると、イッテツもお供をすると言い出した。
しめしめ、車を出して貰える・・・・とイッテツを待っていると、
天気がいいから歩いて行くと言いやがる。

使えねぇー。

車出して！車出して！車出して！車出して！車出して！車出して！車出して！車出して！
とお願いをしたかったのだが、昨日のパケット通信料のことで頭が上がらないし、
荷物は持ってくれると言うので、ほどほどで止めておいた。

今日は知らない道を歩いて行くことになった。
探検だ。
秘密の道だ。
大冒険だ。
少し遠回りだし登り道ばかりだが、ウキウキと歩いた。
二人だと心細くないしね。

しばらく歩くと、なんと櫻が咲いていた。
嬉しくなって櫻の木の下に走って行った。
すると

ビジョっ。

まだ軟らかいお犬様のうんこを踏んでしまった。
イッテツに「うんこ野郎っ！」とさんざん笑われた。
そして「いつもチョロチョロしてるからだ！！」とバカにされた。
口惜しかったけど、立場的に今日は弱いので我慢した。
足を引きずりながら道路にウンコを擦り付け、再び歩き始めた。

ＴＵＴＡＹＡについて、売却カウンターに速攻行った。
品物をチェックされ、出された値段は、
プレステ本体１０００円。
中の発砲スチロールがないため半額だとか。
メモリカード７００円。
二束三文だと思っていたので意外だった。
いたスト１９００円。
傷がなければ２２００円だったとか。
総額３６００円。
多いのか少ないのか微妙なところだが、メモリカードで救われた。

行商を終え、家路に向った。
また歩きかーと憂鬱だったが、帰りは下りなので、少し気が楽だった。
「帰りはおまえが隊長だっ！！」と言うので、イッテツの前を黙々と歩いた。
のんびりしていると、カカトを踏まれるからである。
途中空を見ると、鳥の群れが電信柱に何百羽と休んでいた。
すると

「嗚呼！！何か落ちて来たっ！！」

背後からイッテツの叫び声がした。
振り向くと、イッテツの肩にはお鳥様のウンコが付いていた。
「ちょ、ちょっと取ってよぉー！！」と五月蝿いので、
可哀相にと思ったのだが、

走って逃げたみた。
するとウンコを肩に付けたイッテツが追っかけて来た。

何よりイッテツの顔が死ぬほど怖かった。
でも、ざまーみろと思った。
ぷぷっ。