2001年10月20日(土) |
篠山旅行その2 完結編 |
驚いてばかりもいられないので、春日神社へと歩を進める。
神社には、能の舞台が備わっている。かつては箱根の西では
最高の能の舞台であるとの評判だった名舞台。神社に出入りしている
大工さん?が舞台の下の様子を見せてくれた。大きな壷が5つ並んでいる。
この壷が舞台での音を反響させ、素晴らしい音響効果を生み出すそうだ。
明日がお祭りだということで、逆に今日は神社は閑散としていたが、
名高い舞台を床下まで見せていただけたのだから、やはり今日来て良かったと思う。
神社を出て、付近の店などを覗きながら城跡方面へと歩き続ける。
この辺の名物には、有名なところで陶器、黒豆、松茸、牡丹鍋、デカンショうどん等
がある。黒豆は、単に豆として売られているのみならず、黒豆茶、黒豆コーヒー、
黒豆ワイン、他の場所では私達が見ることのできないような黒豆製品が売られている。
「丹波篠山は黒豆のメッカであり、エルサレムであり、ブッダガヤである。」
心の中でそう呟いた。
黒豆好きなのに丹波篠山に行ったことないのは勿体ない!とも思った。
松茸は、丹波の松茸と言えば「美味しんぼ」や「どっちの料理ショー」にも
何度も出てくるくらい有名。
しかし今回は日帰りの旅、篠山でとるのは昼食のみ。松茸も牡丹鍋もデカンショうどんも
美味しいが、いのししと松茸と言うのは食べ合わせがよろしくない
(と思った)。どちらかを選ぶしかない。
今回は、デカンショうどんを選んだ。城跡近くの「いのしし鍋は、専門店で!」と
広告の出ているお店に入る。
お昼のメニューはシンプル。お運びのお姉さんが出てきて、牡丹鍋か、
デカンショうどんになりますが?
ブッシュ大統領のYes or NO?も真っ青の 絶対的二者択一問題である。
うどん好きなので、今回はデカンショうどんだ。
ところが後でメニューを見てみるとステーキ弁当、とかすきやき、しゃぶしゃぶ等、
三田牛を使用したのもたくさん。
なぜいのしし鍋かデカンショうどんの二者択一だったのだろう?
多分狂牛病のせいかなと思う。
デカンショうどんはボリュームいっぱい。やや辛めの味噌スープが
とても美味しい。
大きな鍋に味噌味のスープがぐつぐつと沸き立っていて、
中には猪肉と野菜とうどん。
味噌を買って帰ることに決定。猪肉も思っていたような臭みが
全然無かったし、固くも無い。
さすが専門店。猪肉には猪肉の扱い方があるのだろう。
うどんとの相性もばっちりだ。
おそらくこんなところでしか飲めないだろうと思われる黒豆ワインを飲みながら。
お店を出て街を歩く。丹波杜氏酒造記念館を見学。昔からの酒造りの道具が
展示されていて、酒造りのプロセスの説明を聴くことが出来る。
この地方には特産物はたくさんあるのだが、 霧、雨量、降雪などが
厳しい自然環境であり、 江戸時代中期の農民達は裏作をはばまれ、
他の収入源が必要に。そこで「酒造出稼ぎ」が始まった。
厳寒の冬の夜中、手を切るような冷たい水。
説明を聞いていても、過酷な労働環境であったことが想像される。
そんな風にして出来たものを 自分は飲んでへべれけになっていると
思うと何だか申し訳ない気がする。
記念館を出て城跡へと向かう。城跡のまわりは今は学校になっている。
グラウンドがとても広い。
山々が見渡せ、爽快。城下町の中心である。
高く青い空にぽっかりと白い雲が浮かんでいる。
写真の建物の中にはいろいろ歴史的なものが展示されていたりする。
途中、高い石垣から下をみてくらくらしたりした。
再び街を歩く。今度は武家屋敷の通り。多少痛んではいるが立派な御屋敷。
こういう建物が全く違和感なく街の景観に溶け込んでいるのが篠山のすごいところ。
歩き疲れたので喫茶店に入ってコーヒーを飲む、もちろん黒豆コーヒーだ。
「黒豆とコーヒー豆のブレンドです。香りを先に楽しんで下さい。
これも黒豆の割合が多すぎるときなこ湯になってしまいます。」
丁重な説明を大きな声でしてくださる店のおばちゃん。
フレッシュとか入れると普通になってしまうから
そうする前に香りをかいでくださいと繰り返し念を押されるのであった。
そうこうしている内に時間も過ぎたので帰ろうと思い、バス停に向かう。
田舎にはよくあることだが、夕方のバス停は非常に混雑していた。
もしここに住むとしたら、やっぱり車がほしくなるだろうなと思った。
途中、不動産広告を発見。「篠山に住むなら、快適な庭付き菜園付き住宅!」
みたいなことが書いてあった。庭付きはよくあるが、菜園付きと広告で謳われているのが
すごい。
篠山口駅から快速で宝塚に向かい、そこから阪急で帰宅。途中宝塚で買物。
楽しい1日だったよ。電車賃にして片道1050円とバス代280円で、
こんなに自分の住んでいるところと雰囲気の違うところに遊びに
いけるなんて、、、感激。
今度は春日神社で能が行われる時にでも、観に行きたいな。
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