夢を見た。それを夢と呼んでいいのかどうかもわからないが。
普通に生活している中で、突如として身体が沈んで行く。 下の方に、下の方に、下の方に、地中へと。
段々深みへとはまっていくにつれ、私の身体は原形をとどめなくなっていく。 個体から、どろどろの半液体状のものに。それからさらに気体のように。 そして気体から、ただの波動とか、振動とか呼ばれているもののように。
周りはどんどん暗くなってきて、次第に暗闇一色となる。 実際に周りが暗くなって来ているのか、自分が視覚を失っているのか、 それはわからない。
耳元からは少しずつ音が遠のいて行き、次第に何も聴こえなくなる。 さっきまで自分として感じていたある種の振動は、除々に鎮まっていく。
そしてとうとう、個体としての存在すら失ってしまう。
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