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■ ビルの谷 空に向かいて飛び立ちし ひいよと聞こゆ ひよどりの声
今日は猫ともご飯とも関係ない、鳥の話。
仕事先は、ビルやら商店やら飲食店が密集し合間に民家が点在する街の、表通りから1本裏に入り、さらにビルとビルの隙間の路地を入ったところにあります。 仕事先の建物自体は周囲のビルに埋もれるように建つ3階建ての小さなビルですが、ちょうど並ぶ形で無人の2階家が建っています。反対側には有人の2階家もありますが、とりあえず今回は無人の側の話。
その屋根に鳥がいました。 今日は急に気温が上がり、桜も開き始めるぐらいの日和。私など、しっかり半そでです。午後も少し過ぎたころ、何気に開け放った窓の網戸を押し開け、外気温を確かめようと顔を突き出したとき見つけました。 ……と、次の瞬間には、網戸を開ける音に驚いたのか、鳥は飛び立って行きました。
その見かけた一瞬と飛び立つ姿で、「あ、ひよどり」と思いました。 遅れて聞こえた甲高い鳴き声も、もうどうしたって「ひーよ」としか思えません。 ああ、もう少し注意深く開けていれば、あの姿をもっと見ていることができたのかもしれないのに……と思いながら、飛び去った空を未練がましく眺めてしまいました。空が青いのも恨めしい……そんな午後。
さて、なぜ「ひよどり」と思った(わかった?)のかと言うと、この日記のHOMEPAGEに当たるコーナーを置かせていただいている親サイトの「CAT'S EYES & CAT'S HANDS」でお馴染みの野鳥だから。 毎度毎度、おかしみ溢れるキャプションとともに「ひよちゃん」の写真を見ているうち、刷り込まれていたようで、見た瞬間に「あの体つき、あのグレーの色味、頭ぽさぽさ、ひよちゃんだぁ〜」と思ってしまったのです。 ほんとうに、ひよどりだったのかどうか、良く似た別の鳥ではないのか。 もはや検証することはできません。が、自分としては「あれは、ひよどりだった」と思えてなりません。何しろ「頭ぽさぽさ」でしたから(←ここポイント)。 すごい。今まで雀と鳩と烏ぐらいしかわからなかったのに(それもどうかと思う)。人間とは、いくつになっても進歩があるんだ、としみじみしました。もっとも、進歩するよりも速く衰えているわけですが、そんな中でも、いやそれだからこそ、些細な進歩が嬉しい年頃です。
ところで、ビルの合間に民家があり多少樹木もあるとはいえ、商業地区の仕事先にどうして野鳥がいたのだろう?という疑問が湧いてきます。 帰宅して、いそいそとヒヨドリについて調べました。このあたりでは、1970年代ごろまでは渡り鳥だったらしいことも知りました(今では、渡らないで定住しているようです)。 甘い花の蜜が好物らしいことも。そう言えば、周辺には少し行けば樹木の茂る公園がいくつもありますし、大通り沿いのビル街にも桜並木があります。桜の咲き始め、蜜に誘われてやってきたのかもしれません。
春先の素敵な贈り物のような、ヒヨドリ(仮)との遭遇でした。
2013年03月19日(火)
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