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■ ニャンちゃんよ ぼけてもいいよ その丸い目で見てくれるなら、いつまでも
(最初にお断り、ニャンちゃんは元気です、そして日記、長いです)
我家の猫一号にして殿であり、大猫リュウの保護者であり、おもてなし猫であり、新入りの躾係であり、実質我家のヒエラルキーの頂点に君臨するニャン太郎に異変が起きたのは、涼しくなる気配をチラ見せした8月が終わり、9月に入ってまた暑さがぶり返した先週の火曜日のこと。
明け方、「ごはん、ごはん」と起こされるのは毎度のことですが、「う〜ん、もうちょっと待ってね」と軽くポンポンをしていなすのも時間によっては珍しくなく、そういうとき猫たちもうにゃうにゃ言いつつエサ係(の私)を監視しているうちに二度寝するのも珍しくなく、特にニャンは私が起きないとなるとリュウを起こしに行くものの、こちらは輪をかけて寝汚い若僧なので、リュウのベッドで朝寝して、朝ごはんが他の仔よりも遅くなる、というのも、珍しくなく……火曜日もそんな朝でした。 だからニャンがご飯に現れなくても、そう気にせずにいつものキッチンのワゴンの上のニャンのご飯場所にカリを用意して、私より遅く出るリュウの朝ごはんと弁当を作り、自分の弁当も作り、出かけました。
夜、帰宅して、いつもの通り、まず最初にニャンの皿にカリを入れようとして、減っていないことに気づきました。そういえば、たいてい迎えに出てくる姿も見ていなかったけ。 でもまあ、そういうこともたまにはありますが、朝のカリが減っていないのは、普通ではありません。もしかしたら、追加の催促をされたリュウがカリを足したのかなと思いつつ、当のリュウは2泊の予定で出かけています。 とりあえず「メシ!」とばかりにスタンバイしているショーと練とキラの皿にカリを入れ、「ニャン〜」と呼ぶと奥から「ア〜ン」と返事が。探すと、私のベッドの下にニャンちゃん。 「どうしたの? おいで、ごはんよ」と言うと、もそもそ出てきて、居間に行き、カリを食べ始めました。 ので、私は汗を流すべく風呂場に。さっぱりして出てきて、さて、と見回すも、またニャンの姿がありません。ご飯のあとはその辺でくつろいで、気分次第で追加のご飯をねだったりするのになぁ、と気になって、「ニャン〜」と呼ぶと、また奥から「あん」と答えが。 またベッド下に引きこもってました。
「おいで」と呼ぶと恐る恐ると言った態で、頭を出しますが、半分ぐらい周囲を警戒しているふうでもあります。昼間、この辺もちょっと揺れた地震があったから、かなぁと思うも、もしかして、朝からベッド下にこもっていたのかも、という懸念も。朝からこもっていたとしたら、丸々一食抜いたことになります。 カリと水を入れた皿を持ってきて、ベッドの脇の置くと、再び食べ始めました。が、やはりベッド下から出てきません。正確には、一度は出てきてベッドの上まで来たのですが、何がどうしたのか、すぐにベッド下に戻ってしまいました。 怪我をしている様子もなく、カリも食べ水も飲んだ後は、ベッド下で眠ってしまいました。
翌水曜日、やはりベッド下に篭城したままのニャン。カリと水の皿を置くと、食べて飲みはしますが、出てきません。と言って、機嫌が悪いというわけでもなく、食事後は毛づくろいをしつつ、まったりしています、ベッド下で。病院に連れて行くのも、とにかく抵抗して大変なのがいつものことなので、機嫌よくしているなら、無理にストレスを与えなくてもいいだろうか、とも思います。 練と喧嘩したか、あり得ないこととはいえショーとトラブッたか、とも思ったのですが、どちらが近づいてきても、そう警戒はしていません。ただ、ただ、まったり……ベッドの下で。 とりあえず、その日は仕事に出かけ、はやる気持ちで帰宅してみると、ニャンは長くなって寝ていました……ベッドの下で。 (昔、そんな歌がありましたっけ、あれは「ベッドの上で」でしたけど)
そんなにベッドの下がいいならそれでもいいけれど、さすがに掃除をしたいと思いごそごそやっていると気に食わなかったのか、ベッド下からスルリの抜け出てリュウのベッドに移動。二段ベッドの上段をベッド、下段を衣服入れにしているそれは、はしごを外していて(リュウやニャンは椅子と本棚を足場に、ヒョイと登れますが)、私にはよじ登ることが出来ません。 これじゃご飯をあげられないじゃないかと泣きそうになりながら、他の仔のご飯を用意して、とりあえず汗を流そうとシャワーを浴びて出てくると、ニャンが居間でカリを食べてました。 「なんだよ、もう〜心配させて」と思うも、ふと気づくと、おしっこしてない? 私のベッド下に篭城してから、おしっこした形跡がありません。とはいえ、結石ができて出にくくなっているときのように、やたらウロウロしてあちこちでおしっこ態勢になるわけでもなし……???
ご飯を食べ、水を飲むと、こんどは居間の椅子の上でくつろぐニャン。 それだけ見ていると、いつものニャンと変わりません。機嫌が悪いわけでもなさそうです。でも、無口。 常に、というわけではありませんが、お腹が空いたとか、水が飲みたいとか、ポンポンしろとか、割りと「ニャッ」「ウニャニャ」「アン」と言った鳴き声で要求してくるのがニャンだったのに、それがありません。呼べば「あーん」とか「にゃーん」とか答えますが、それも仔猫のよう。
とにかく、おしっこしていないのだけが心配で、翌木曜日、ニャンを病院に。久しぶりのキャリーにも抵抗なく、すんなり入り、行きのタクシーの中の待ち時間も、ときどき「あん」と鳴きはするものの、以前のように死にそうな声で鳴き続けることもなく、寛いでいます。 診療室でも香箱を組むニャン。先生の触診にも、ふ〜ん、みたいな顔。 おしっこもたまっていないし(つまり結石ができていない)、外傷や腫瘍も確かめられず、血液検査の結果も異常はなく、強いて言えば腎機能の数値だけはギリギリ上限、でも、規定内、ということは、遠からず、腎疾患の可能性は高いけれど、今現在は、問題なし。 帰宅して、ご飯と水をあげて、食べて飲むのを確認してから仕事へ。 夜は、居間でまったりしている所、目の前にカリと水。とりあえず、目の前にあれば、食べる模様。でも、おしっこは出ていません。
金曜日、居間の椅子でくつろぐニャンに、本当に寛いでいるのか、実は痛いとか辛いとかあるのに、寛ぐ風を装っているのか、じっくり睨んでみたものの、特に気づくこともなく。 その夜、久しぶりにニャンはオシッコをしました。 でも、それ以来、自力でご飯を食べようともせず、でも目の前に差し出せば食べる、日永一日、居間でまったりしていて、ぼや〜としているニャンです。
もしかして、ぼけた? とリュウと顔を見合わせる、ここ数日。
「でも、しんどいとか、つらいとか、そんなふうじゃないから、いいんじゃない?」とリュウは言います。 確かにニャンは、ただぽや〜と寛いで、目の前にご飯が来れば食べる、飲み水があれば飲む、あとは寝てる、という数日を過ごしています。
シャキシャキと家中を監視して回っていた猫一号の面影は、そこにはありません。お客様が来ても、居間のニャンは、ぽや〜としているだけかもしれません。でも、そんなニャンがいつになく寛いでいるふうなのが、リュウも私も、これ以上、医者に連れて行く気がしない、一番の理由です。
呆けたかな? 呆けたわけじゃないけど、もういいや、ってなったかな?
とまれ、ニャンは居間の椅子で香箱を組んで、毎日、ぽや〜としています。 ウチに新入りがくるたび、がんばってくれたニャン、もしかしたら、新入りも来ない、ここ数年、老後はぽや〜と過ごそうと思っていたのかな
ぽや〜とボケ爺さんになったかもしれないけれど、でも、真ん丸い目は可愛くて、猫の可愛さって、ほんと罪作り、と思う今日この頃
2013年09月09日(月)
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