箱なし、箱あり。 2003年08月04日(月)
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最近、またクロッキーをやりだした。
集中できるのは、電車の中。
嫌われないよう、顔は避ける。
手と足のパレードだ。
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飛び入りで入った出品のために、今日は額縁探し。
実は近所で安くオーダーしてくれるところを見つけたんだけれど、
オーダーだからさ。
…明日必要なのよ。(+_+)
額縁量販店を回る。
悩むのは、本額にするか仮額にするか。
本額がいいのは分かっている。
絵のためにも、展示のためにも。
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「絵のためにも」というのは、長期保存もなんだけれど、
前回美術館グループ展でさ、乱暴に扱われて絵が傷ついたのね。
まぁ、箱なしの裸絵、ダンボール等の梱包をせず、
搬入を任せっきりにしたのも問題なんだけれど、
予想以上にひどかった。
搬出時、みんなの絵を箱に詰めて運ぶ中もう一台をふと見ると、
台車の山積みの箱の隙間に箱なし裸絵、その画面の上にポンと
綺麗とはいえない梱包用毛布を置かれたのを目の当たりにして、
大いにショック。
出品者で作業可能な人が他人の分まで
まとめてわーっと大量に搬出しているから、
多分そんなことかまっている余裕はないのね。
それにしたって…。
特に自分の絵は表面が削れやすい、汚れやすい、
テンペラ画なんだってことを
前作80号も運搬中に画面が傷ついたことを思い出し、
青くなる。
自分がきちんと梱包していれば…。
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これが例え業者でも、自分の大事なものを、
見ていないところでも、
同じように大事にしてくれるとは限らないじゃないの。
もっと大事にしてやらねば。
他でもない、このわたしが守ってやらなければ、
いったいこの子はどうなるの?
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突然ひしひしと芽生えた親心。
1,800円と4,800円と14,800円と天秤にかけて、迷った末、
制作中の作品ばかりにかまかけて、邪険にしたお詫びも込めて、
今回おまえには、財布をはたいても上等の服を着せてやろうと、
決意した。
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安くうまく見せるのに、手製の枠だけという額もある。
あれでもいいんだけれど、わたしは木工が不慣れだ。
手間もかかる。
人に見せるのなら、もっときちんとしたい。
手製で作るなら作るで、もっときちんとしたい。
人に見せるんだから。
たまにはお買い得品じゃなくて、
技術と文化に堂々と金を払わにゃー。(微々たる額だが)
自分だって確かな技術を身につけて、堂々たる然で仕事をしたい。
財布はすっからかになったけれど、
心なしか楽しいわね。
by HPY
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