幻冬社「EM(エンバーミング)」雨宮早季を読んだ。 図書館に行った時、棚の前でふとmaruさんが「読んだよ」って言っていたのを思い出したので借りてみました。 EMとは、遺体の消毒、防腐、修復、化粧などを行う技術のこと。 私、漠然と法医学に付随する技術なのかなーと思ってましたが、違うのですね。 もっぱら遺族と死者の方を向いた技術なのだね。 これもQOLってやつ?(死んじゃってるけどさ) 確かに、最後のお別れには、病気と闘い終わった疲れた顔だとか、事故で損傷した顔ではなく、生前元気だった頃の顔でお別れできるならしたいものだしね。 ほう、ほう、と感心しつつ読了。 肝心のストーリーは、ま、及第点。 多重人格を扱うミステリーは多いからなあ。
講談社「熊の場所」舞城王太郎 これって、純文なのかな? ようわかりませんが。 宮本輝が、「好き好き大好き超愛してる」を芥川賞の選考で読んで、こんなのは純文学じゃないというニュアンスのことを言ったとか言わないとか。 それもそうだろうなあ。 所謂美しい日本語では書かれていないからさあ。 この本は短編集ですが、敢えていうのなら一番最後に収録された「ピコーン」が好きかな。 めっちゃ下品。
講談社「空の境界」奈須きのこ 図書館で予約30件待ちして借りたのだけれど…。 私にはあまり馴染みませんでした。 もともと同人小説であったものを講談社が拾い上げたわけですが。 もう、おたくくささがぷんぷんします。 作者、美少女もののゲームソフト会社勤務のシナリオライターだから当然か。 倒置の使い方など、なんだか「どっかで読んだような」デジャヴがいっぱい。 それも当然なのだね。 ネットで溢れている同人小説の文章の域を越えていないもの。 うわあ、私ってば辛口。 それでも最後まで読み切ってしまう自分の律儀さが憎い…。
ところで、先ほど「宮本輝」とキーボードを叩いたら、突然「錦秋」が読みたくなってしまったよ。 愛し合いながらも別れた夫婦の間の往復書簡で綴られた作品。 これが、蔵王の燃えるような紅葉のイメージとともにとても哀しくて美しい話なのですわ。 あまりに印象深くて、書き出しの文章覚えてしまっているくらい。 私の読んだ中で宮本輝では一番好きだな。 でも私の書架にはない〜。 母が持ってる。 うう、読みたい。 でも今は森博嗣の「ZOKU」を読んでる最中だからなあ。 その後には「φは壊れたね」を図書館で借りるんだー。 ああ、全然世界違うよなあ。 ま、いっか。
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