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2001年07月04日(水) セックスレス夫婦

今日の朝日新聞にセックスレス夫婦が28%にのぼるという
性意識調査結果が載っていました。
1と月以上性交渉がないとセックスレスに分類されるようですが、
これに月1回という夫婦も加えれば全体の5割近くを占めます。
(もちろん年代が高いほど割合は高くなります)
理由としては、「面倒くさい」が夫、妻とも最多、
次に夫は「仕事の疲れ」、妻は「趣味などほかに楽しい事がある」、
更に夫・妻とも「出産後なんとなく」と続きます。
また、「性は男性がリードするもの」という問いには、年代を問わず
両者とも約6割が肯定しています。

独身の私には直接関係のない話ですが、
この結果を見ていて何となく疑問に思ったのは、
セックスレス夫婦と言っても、
必ずしも彼らが全的なノーセックス生活を送っている
というわけではないだろう、と言う事です。
特に夫の方は、全くセックスレスなのかどうかは怪しいものです。
「面倒くさい」「仕事疲れ」「出産」云々は、
別にセックスそのものを忌避する理由とは言えません。
つまりそのような理由で単に「妻」とはする気にならない、
妻がセクシャルな対象とならない、というだけで、
その分を性風俗などで処理している可能性は大でしょう。
記事の書き方だとあたかも夫婦間のセックスレス即ノーセックスみたいですが、
その辺も突っ込んで調査しない事には表層的な話になってしまいそうです。

ところでセックスレスと言うのはここ10年余りの間に顕在化した問題のようです。
特に若い世代のセックス離れが取り沙汰され、
件の調査でも、20代、30代で11%、26%がセックスレス夫婦です。
セックスレスの理由や事情はいろいろとあるんでしょう。
ただ、それが問題視されるときににちょっと違和感を覚えるのは、
それが仮に問題であるとして、単に今現在の問題として見ても
意味がないのではないか、と言う事です。
例えばそのもっと上の世代、つまり親の世代の性生活は
どうだったんでしょうか。
セックスレスではなかったとして、そんなに豊かな性生活があったとは思えません。
単に義務観念でやっていたかもしれないし、
妻の側からすれば家庭内売春的感覚で夫に付き合わされていたかもしれない。
しかも夫は妻を主婦や母親の立場に閉じ込めておいて、
自分は外で買春し放題であったかもしれません。
そしてそういう事が単に今ほど顕在的に問題化しなかったと言うだけで、
要するに仮にセックスがあったからと言っても、だからよかったとも言えないでしょう。
それを無視して、今現在の若い世代がセックスレスである事があたかも問題であるような
取り上げ方をしても、問題の本質は見えないという気がします。
むしろそのような親の世代の性生活の貧しさ(内容的な)の反動であるかもしれないし、
だからこういう問題からは、もっと日本人そのものの夫婦や性生活のあり方、意識を
歴史的に見ないといけないように思えます。
って、独身者に言えた義理でもありませんが。


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