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2002年03月26日(火) 辻元清美の「大罪」

実にほぼ半年振りです。時々また書きます。


さて、先週来騒ぎになっていた、
社民党の辻元清美議員の秘書給与詐取問題。
今日、漸く議員を辞職したようです。
給与詐取そのものは別にしても、
疑惑発覚以来の一人よがりな言動によって、この人は議員失格でしょう。
結局、テレビ向けパフォーマンスで虚像を作り上げてきただけの人でした。

また、「元気娘」を看板にかろうじて支えていただけの社民党の
壊滅寸前の実態も今回の件で暴露されました。
やはりこの党は、前世紀で消えるべき遺物だったのでしょう。

ところで辻元擁護論に、
「鈴木ムネヲのような巨悪を犯したわけではない」と言うのがあり、
また、辻元本人もそう考えているようです。
しかしこれは間違いです。

吹けば飛ぶような弱小野党には、利権に関わる事自体があり得ないのですから、
ムネヲのような巨悪は、そもそも行いたくても行えません。
つまり野党がムネヲのような巨悪を行わないのは、
倫理性が高いのでも何でもなくて、単にその機会がないからです。
逆に言えば、汚職事件がいつも自民党で起きているのは、
半永久政権与党だからです。
別に自民党が悪人揃いだからではありません。

しかし、ややもすればそう思えてしまうのは、
政権交代が起こらない構造の下では、
役割が固定化して本性であるかのようになってしまうからです。

だから野党は、あたかも政府与党が悪であるかのように、
それを追及する自分たちが本性から善人であるかのように振るまいます。
ムネヲ証人喚問での辻元の正義の味方ぶった言動はまさにそうでしょう。
従って、今回の辻元の国税流用というのは、
倫理性気高き社民党議員にとっては「巨悪」に相当します。

これは政権交代が起こらない事を前提に、
倫理を自己目的化してきた虚像から
自ら滑り落ちたのですから仕方ありません。
そこに自民党の陰謀があるかないかは、本質とは関係のない話です。

また、こういう前提の下では、自民党議員が何か悪事をやっても
「またか」と半ば呆れつつも国民に許容されてしまうのに対して、
逆に野党議員が少しでも今度のような不祥事をすれば、
巨悪にも匹敵する出来事に受け止められてしまいます。

その結果、「野党も所詮自民党と同じ」という政治不信が増幅し、
結局は自民党永久政権の現状だけがそのまま固定され続ける事になります。
これは悪しき「自民党スパイラル」の一つです。

疑惑発覚以来、わけのわからない言い訳をして居直り続けて
ますます政治に失望を増幅させた辻元は、この点でも大罪を犯した事になります。
辻元の辞職は当然でしょう。


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