昼前には用が済み、新宿から帰ってきた。途中、雨に降られる。
何かが縮み上がったり、伸び拡がったりしているように感じる。そんな天気。
温かくも、涼しくもない。
時間が止まったみたいに息苦しい。
周りがそのように不安定なので、自分のささくれ立った部分も不意に顔を出した
りする。
何というだらしない口元、目がぷっくりと腫れている。
失業者がすっかり板についてしまったようだ。
もし突然、耳が聞こえなくなっても
多分何も手が付かなくなるだろう。
今、時間はたっぷりあるけれど
何も手が付かない。
自覚がないのだ。
同じだ。
喫茶店の窓からじっと空を見ている。
雲は子供が泣き叫べば、容易に手が届くほどの近さにある。
色はツルツルに剥げたバスのシートみたい。
縛られた視座からみる空は、随分と違う。
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