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ラヂオスターの悲劇
トマーシ
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2003年05月09日(金)
春雨道中

 昼前には用が済み、新宿から帰ってきた。途中、雨に降られる。

 何かが縮み上がったり、伸び拡がったりしているように感じる。そんな天気。

 温かくも、涼しくもない。

 時間が止まったみたいに息苦しい。

 周りがそのように不安定なので、自分のささくれ立った部分も不意に顔を出した

 りする。

 何というだらしない口元、目がぷっくりと腫れている。

 失業者がすっかり板についてしまったようだ。

 もし突然、耳が聞こえなくなっても

 多分何も手が付かなくなるだろう。

 今、時間はたっぷりあるけれど

 何も手が付かない。

 自覚がないのだ。

 同じだ。

 喫茶店の窓からじっと空を見ている。

 雲は子供が泣き叫べば、容易に手が届くほどの近さにある。

 色はツルツルに剥げたバスのシートみたい。

 縛られた視座からみる空は、随分と違う。