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ラヂオスターの悲劇
トマーシ
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2003年09月28日(日)
Polka Dots

恋は水色、小寒い秋で、風でページがめくれる。ケヤキの並木が続いていて、水玉模様の陽が落ちる。冷たい空気には透明な質感があり、僕は吸い込む。そしてみんな白い息を吐いていた。マフラーを首に巻き、頬を赤くして、小さな歩幅でチョコチョコチョコと。
カフェ・アゼリアには分厚いガラスが張ってある。そして、そこにいつも流れているのはポール・モーリア楽団の恋は水色、それから同じくイージーリスニングのダンシングクイーン リチャードクレイダーマンのピアノも流れている。僕は恋は水色を聴くとついつい自分の記憶に齧りついてしまう。恋は水色は御在所岳のロープウェイからみた紅葉を思い出させる。深々とその透明な秋の空気が降り積もっていくのがわかる。熱い紅茶とシナモントーストが御似合いだ。誰も頼みもしないのにカフェ・アゼリアはいつもシナモンの匂いがいつもプンプンしていた。