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ラヂオスターの悲劇
トマーシ
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2004年01月09日(金)
青の部屋

ブンブンと生まれたての羽虫が目の前を交差する午後で
太陽は既に手の届かないところにまで昇っていた。
誰かが砂糖壷を割ってしまったみたいな
何ともいえない甘味があたりに拡がっていく。
丈の高くなった雑草が互いに腕を絡ませるようにして
僕の頬を撫でる。
構えた腰もだんだんと重くなり、草いきれの熱を含んだ風も苦にならない。
日なたに焦がしたような青草の平地に出てきたときには、
そこに突っ伏してしまいそうだった。

だが、急に空気の変化を感じる。
僕はそこに棒立ちになっていたけれど、
丁度、額の髪の生え際に冷たい風を感じた。
ネジをまくようにして、五感を鋭くする。